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壺猫

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小説の内側

小沢一郎という政治家が罪に問われて、長い年月のあいだ政治活動の自由を奪われ、いわば座敷牢に入れられていた。こんど無罪判決がおりたが、控訴期限が明日に迫っている。控訴されればこの先、ふたたび自由を奪われる。そして寿命は限られているのだ。私は、この事件を追ってきた。その道中に、村木厚子という官僚が逮捕される事件が起きた。これは周知の通り、偽の障害者団体証明書を発行し、不正に郵便料金を安く用いたという、虚偽有印公文書作成・同行使罪だった。この事件も、発生直後の混沌とした時期から無罪となった時点まで見つめてきた。そして3.11 をきっかけに私は福島県知事だった佐藤栄佐久の辞職と逮捕、有罪の経緯を読んだ。核問題では、かつてアルベルト・シュバイツアーが核反対の旗印を掲げたとき、これを潰そうとして、シュバイツアーの身辺を洗い、暴き、彼を貶めようと画策したということも知った。世界を見渡せば古今、恐怖政治が蔓延していたのであり、事実は抹殺され、正義はなかった。イタリアを旅して震え上がる思いを味わったものだ。
ありがたいことに現在は、映像によって大政治家たちの表情を、態度を、つぶさに見ることができる。我を忘れて立腹してしまったのか、激怒してみせているのか。本心は違うが、事情に縛られての発言であるか。彼らの表情と仕草は、小説書きにとって魅せられる宝である。また、若手の未熟さ、性根の据わらぬ脆弱な表情。
ミス・ユニバースは、ミス・ユニバースに選ばれてから美しくなると言う。昔、山野愛子さんという美容家から直接伺った話だ。変わるのよ、と山野さんは言った。人は座によって変わる、このことについても映像は雄弁だ。
こうした進行形の人々を私は、奈良平安の人物群に重ねてみる。もう、ドキドキしてしまう。
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