文房 夢類
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壺猫

文房 夢類
世相 主張  

ネットの力を信じよう

久しぶりに友人の葵さんが遊びに来た。一世代若い彼女に私は安倍政権の危うさを語り、いまの日本の様相は真珠湾攻撃前のころの空気と似通っている、と私自身さえもほとんど知らないころのことをしたり顔に話して腹を立てた。私の主張は一つ、戦争をしないことに尽きる。たとえ百年を費やそうとも、根気の良い話し合いによって進めてゆくべきだと思うのだ。更に怪しからんことにメディアは権力に迎合し、国民に発信すべき事実を隠蔽、変形させる。ここで黙っていてはダメだろう、というときに見て見ぬ振りだ。と私の怒りは罪もない葵さんに注がれた。葵さんは動ずることなく言った、「あの頃と違うことがひとつあります。それはインターネットを一般の人が使いこなすようになったこと。私は、そこに希望を見ています」。
そうか、と私は日頃の行いを振り返って納得した。なぜメディアが事実を変形させて報道していると分かったのだろう私は。世論調査の数字がデタラメであること、あの偽数字がいかに醸成されるかを、私は何故知っているのだろう。ニュースに出ない昨日のデモが、どこで、何人の規模で行われたかを、どうして知っているのだろう。
私は明るい気持ちになった。もしかするとネットの力が平和を守るかもしれない。
戦争愛好者という悪魔は、あらゆる科学技術を戦争に用いてきた。第一次世界大戦ではラジオと無線電話が開発され、第二次大戦ではレーダーが主役となり、女房役は電子計算機だった。この二つが船舶と航空機に自由を与えた。缶詰が軍事目的に開発されたなんて、誰が思うだろう。最近のことでは、ビルが乱立して電波障害が起きるのを防ごうとした日本の科学者が、フェライトという酸化鉄を入れた塗料を開発、これをビルの壁に塗ったところ、電波を吸収してテレビのゴーストが消えた、という喜ばしいことがあった。アメリカは、このペンキを飛行機に塗りたくり、ステルス戦闘機と名付けた。
ネットは玉石混淆、入り乱れてはいるが、生身の人間の眼力も進歩してゆく。一昔前は新聞とラジオだけが知る道であったが、いまはネット時代。地球丸ごと掌に掴めるのだ。ヒトラーの演説も大本営発表も懐かしのメロディだ、ましてや安倍首相の、アンダーコントロールに至っては何をか言わんやである。彼の舌の根が乾かぬうちから、日本国民は大笑いしていたのだ。
科学技術は、いままで散々戦争に利用されてきたが、ネットは個人の眼と指に直接繋がっている、だれも奪うことはできない。ネットの力で戦争をはねつけて平和を守ろう!
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