文房 夢類
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壺猫

文房 夢類
February 2012

夫婦別姓

国会中継で夫婦別姓に関する質問が出た。が、具体的な取り扱いをしようという気持ちの片鱗もない、受け流しの答弁で終わった。夫婦別姓は、本来は夫婦別氏という。
日本は、10年ほど前に「女子差別撤廃委員会」から、婚姻最低年齢、離婚後の女性の再婚禁止期間の男女差、非嫡出子の扱いについて、また、夫婦の氏の選択などに関して懸念を表明する、という勧告を受けている。この「女子差別撤廃委員会」は、国連に設置されている委員会である。
これを受けて国は20084月に「選択的夫婦別氏制度について、国民の議論が深まるよう引き続き努めている。」と報告した。しかし20098月に再度、「委員会は、前回の最終見解における勧告にもかかわらず、民法における婚姻適齢、離婚後の女性の再婚禁止期間、及び夫婦の氏の選択に関する差別的な法規定が撤廃されていないことについて懸念を有する」との勧告を受けた。しかし政府は「検討中」から一歩も出ようとしない。今回も、取り合わない、といった、あからさまな無視の態度を示した。
私は、福島瑞穂さん、千葉景子さんたちの意見を支持する。彼女たちは柔軟な意見の持ち主だ。是が非でも、全員が夫婦別姓にすべきだ、とは主張していない。選択的、と言っている。つまり、希望する人は、別姓を選ぶことができます、という社会にしたいです、と主張しているのだ。
私の意見は、夫婦別氏はもちろんのこと、戸籍を個籍にしよう、というものだ。生まれた瞬間に個人が確立する。赤ちゃんは、この父と、この母との間に生まれたという事実が記載される。認知云々のまやかしではない、もっと基本的な人間の存在、人間の命を尊重しよう、差別を消し去ろう、という考えに基づいている。現在の日本の状態と犬の状態を比べれば、犬の血統書のほうがまともな体勢を取っていると認めざるを得ない。いまの状態は、犬の血統書に及ばないのである。
今回の答弁で、家族の絆が崩れるという反対意見がでていた。それじゃぁ聞くが、氏・戸籍に縛られて絆を保っているのかと言いたい。親子兄弟の絆は、それほどヤワなものなのか。親子兄弟のつながりは、法律も、大津波でさえも太刀打ちできないほどに強いものではないだろうか。この問題をなおざりにし、意図的な先送りを続けることは、国の恥である。反対意見の人々は、なぜ選択肢の設定まで否定しようとするのだろう? なぜ、現況を強要したがるのだろう? 反対意見を掲げてムキになる人たちは、ぜひ胸に手を当てて、反対する真意が奈辺にあるかを再認識してみて欲しい。
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