文房 夢類
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壺猫

文房 夢類

泉田知事のこと

危機対応について一般向けに書かれた本の中で、管見ではあるがアメリカのものが最も有用だと感じている。
その中に、こういうものがあった。
街中で暴力を振るっている有様に出会ったらどうしたら良いか。決して止めに入ってはいけない。離れるべきだ。しかし逃げ去るのではなく、大勢で遠巻きにして、声を限りに非難の声をあげましょう。これが最も効果的なのです、と書いてあった。
小競り合いに毛の生えた程度のものであっても、見て見ぬ振りをして、自分だけが安全圏へ、素知らぬ顔で移動することはすべきではない、と読んだ。積極的危機対応である。
新潟県の泉田裕彦知事が、10月投開票の知事選への出馬を取りやめるという声明文を出した。今年2月に出馬表明をしていたものを撤回したのだが、一旦表明した出馬表明の撤回は、極めて異例なことという。
私は越後に住んだ親しみから、いつも新潟に注目しているが、泉田知事は、誠に素晴らしい知事さんだと感じてきた。柏崎刈羽原発の再稼動を食い止め、東日本大震災の時には大掛かりな受入れ態勢を作り活躍、県内の行政でも見事な業績を上げられてきた。
支持層の厚い泉田知事が、一旦出馬を決意しておきながら断念した理由は奈辺にあるのか。ここで誰しも思い起こすのは「僕は自殺しませんから。遺書が残っていても、自殺ではない」という泉田知事の発言だろう。
命が風前の灯なんだ、佐藤栄佐久元福島知事の時のように。
佐藤栄佐久さんは、原発に反対したために、周辺に逮捕者・自殺者を出し、贈収賄0円で有罪判決を受けたのだ。
私たちの暮らす街中で起きている理不尽な暴力を、黙って見ていては平和はこない。
お茶碗1杯のご飯は、一粒、一粒のお米がまとまったものなのだ。お米粒一粒がつぶやく言葉を、絶やさず、粘りを出して1杯のお茶碗に、1個のおむすびにしましょう。
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