文房 夢類
文房 夢類
myExtraContent1
myExtraContent5

壺猫

文房 夢類

同じ空

道に立って東を見る。日の出だ、紅色に染まっている。見上げると今日も快晴、秋の雲は高い。しかし、それは切り紙細工のように、ハサミで切り取ったような空と雲である。
切り口は、我が家の屋根であり、隣家の屋根屋根、縦横に張り巡らされている配電線の黒い筋、電波の柱であり............。
私は、頭の中で切り紙を消してみる。目の先の道路標識も、遥か遠くの建物も、水道タンクも、すべて消してしまおう。
まあああああ! なんと美しい。東京だって川崎だって、おなじなんだ、山中湖の鏡のような湖面に映る空と。金色に波打つ越後の稲田を覆う空と。
タクラマカン砂漠の空も、カンサスの空も、アリゾナの空も、東京の空とおなじはずだ。
myExtraContent7
myExtraContent8