文房 夢類
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壺猫

文房 夢類

七夕

今日は七月七日、七夕祭りです。バスに乗って「笹の葉 さらさら」という童謡を思い出していたら、あっちにもこっちにも竹が見えてきました。年中見慣れているバス通りですが、竹を思いながら眺めると、こんなにたくさんあったのかと驚きでした。孟宗竹が多いのですが笹薮を含めて幾種類もの竹が見えます。そして。
なんと美しい葉の色でしょう。五月六月の竹の秋を過ぎて、新しい葉が出揃ったいま、目を見張る緑の細葉の輝きです。まるで観光バスに乗っているかのように窓に顔を寄せて見入りました。もしかして七夕祭は、竹の葉が一番美しい時を選んで日を決めたのかとさえ思ったことでした。
私が当地に住み始めた頃は、茅葺屋根の農家が点在し、その背に竹林を背負っていたものです。地震の時に竹やぶが身を守る、これが昔からの知恵でしたが、今ではすっかり今様の住宅になり、背戸の薮は消えました。そう、「歌を忘れたカナリヤ」の歌に出てくる背戸の小薮も、このような大切な防災設備であったわけです。
ところで先日、深大寺の隣にある神代植物公園で、竹と笹の違いを学びました。成長した時、皮が幹から離れ落ちるのが竹、最後まで皮が幹についているのが笹だそうです。
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