文房 夢類
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壺猫

文房 夢類

煙草の話

煙草を好む人たちの肩身が狭くなって久しい。昔は「恩賜の煙草」というものがあった。天皇陛下が戦地へ赴く兵士たちに下したという、その煙草を見たことはないが、歌は知っている。恩賜の煙草をいただいて〜〜🎵 という歌。煙草は、たいそうな待遇を受けていたのだ。
禁煙の場所を作ることは良いことだけれど、際限もなく規制する傾向は、いささか常軌を逸しているように感ずる。こんな有様だったら、禁酒法みたいに禁煙法でも作るのかと思うくらいだ。煙草の火の不始末で火事が多いと言っていた。今は火災の何位なのかしら。
煙草を使えなくなって困っているのがドラマ作りだ。手持ち無沙汰になって格好がつかない。ここでシュポ。ゴルゴだけじゃない、大根たちはどうしてよいのやら、最近のドラマの間抜けた芝居ぶりはいじらしい。
いかにも煙草喫みを擁護するようだが、実は私の育った環境には1本の煙草もなかった。祖父、父が揃って煙草を遠ざける人だったから、客用の灰皿があるだけだった。昔話になるが小学校卒業の時、謝恩会の計画をして私も、その中の一人だった。先生のために煙草を買いましょうと、という話になったとき私は反対した。皆は煙草を嫌がる私を不思議そうに見て、取り合わず計画は進んだ。憤激した私は謝恩会をボイコットした。高校卒業の時の謝恩会も原因は忘れたが同じことをしたから、もしかすると私は腹をたてるタチだったのかもしれない。付け加えると、このエピソードをオープンしたのは今が初めてで、当時、謝恩会を欠席しても親は全く気付かなかったことも覚えている。親の目なんて、その程度の眼力である。
ところで前々から心配していることがある。油煙は健康に悪いのではないかということだ。家庭のレンジの換気扇の汚れは天ぷらやフライの油煙が多い。炒め物もある。この執拗な汚れが肺胞にこびりつく様は想像するだけで息苦しくなる。まして職業として厨房で働く多くの人たちの健康はどうなのか、このことが頭から離れない。

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