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壺猫

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紀行について

吉川弘文館が発行している「本郷」11月・114号に芭蕉の「奥の細道」についての小文が載っている。これは、「人をあるく」シリーズ『松尾芭蕉と奥の細道』の著者、佐藤勝明氏が書いたものだ。「本郷」では、著者が自著にちなんだ話題のエッセイを書くことが多く、これが実に興味深い。佐藤氏は芭蕉が旅した奥の細道を何回も、微に入り細を穿つように辿りなぞり、考察していられる。バッタのように飛び飛びにほっつき歩き、抜けたところは抜かしたままの私とは雲泥の差である。それはともかく、芭蕉という人を、まだ、今ひとつ掴んでいないのだけれども、つまり正面から挨拶をする芭蕉さまの顔はわかるが、後ろ姿が、まだ見えていない、といったところだろうか。「奥の細道」は、一筋縄ではいかない、仕掛け、企みのある作品だと感じている。多くの芭蕉ファンがなぞり歩き、ここで詠んだのだ、と感じ入る。そういう楽しみをふんだんに提供している木立の陰に、深い闇をさりげなく置いている。
佐藤勝明氏が、このように書いていられる。「”細道”には文芸的な創作の部分が多く、芭蕉自身の旅を材料にはしていても、それとは別の物語的な作品になっていると見て間違いない」そうだろう、芭蕉は、そういうことをしているのだ。西行を愛し、「源氏物語」に一目置いていた芭蕉翁。いま書こうとしているカリブの紀行が念頭にある。
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