文房 夢類
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壺猫

文房 夢類

発言する勇気

石原慎太郎さんが自身のツイッターで尊厳死についての意見を述べた、というニュースを読んだ。この方は女性蔑視の発言多々あり、私は、これに関して随分批判してきた。
今回の彼の意見は
「業病のALSに侵され自殺のための身動きも出来ぬ女性が尊厳死を願って相談した二人の医師が薬を与え手助けした事で『殺害』容疑で起訴された。武士道の切腹の際の苦しみを救うための介錯の美徳も知らぬ検察の愚かしさに腹が立つ」(原文ママ)というものだ。「裁判の折り私は是非とも医師たちの弁護人として法廷に立ちたい」とも。
この件は『高瀬舟』以来、私も思い続けてきた重い課題だ。同時に多種多様な考え方があり、一つを主張すれば必ず他方が反駁する、難しい課題だ。それを百も承知の上で堂々発言をする姿勢を、勇気ある行いとして高く評価します。
顔を伏せ、左右を横目で盗み見つつ、大勢が決まる時期を伺う態度を賢いこととして実践している諸々を常日頃軽蔑しているので、このスッキリした態度に出会い清々した。
ところでわれらの時代の旗手、大江健三郎さんはなんか発言なさらぬか。一言も二言もあって良いのではないか。もっともわれらの時代の年齢を思えば、健康上の理由から思うにまかせぬ場合多々あることだから文句をつけるわけではない。
それにつけても闘病中にもかかわらずの石原慎太郎さんの発言は気力充実、あっぱれ。
追加に私自身の意見なしでは、腑抜けになるので付け加えます。私は本人の精神を第一に尊重し、その希望に沿った態度をとることが、真の生命尊重に当たると考えています。これは、人間個人にとって、生命とは何かという基本的な問題です。
バカの一つ覚えで、イノチのタイセツさ! と叫び立てて、何が何でも肉体の存続方向へと首に縄をつけるようにして引きずってゆく態度は、鈍感+残酷だとしか言いようがない。残酷の土台には実体験に基づく単細胞思考があるのではないか。
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