文房 夢類
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壺猫

文房 夢類

高齢者運転免許

高齢者が引き起こす自動車事故が深刻な状況だ。今回は87歳の男が3歳の女児と、その母親を即死させた。悲惨さに胸塞がれる一方、高齢者の運転免許返上が話題に上る。
自分のことを言うと、去年の誕生日で返上した。最寄りの警察の交通課で、自主返納する理由を訊かれた。なぜ、理由を尋ねるのかと係員に問うたところ、アンケートを集計してデータを分析するのだという返事だった。
免許返納を決めた理由の、当てはまるものに印をつける。家族に勧められたから。同年輩の知人が返納したのをを見習って。必要がなくなったから。ひやりとしたことがあったから。自信がなくなったからなどが並ぶ。
どれ? と係員。う〜ん、どれでもない。と私。じゃ、なんで? と係員。
2つ理由があってね、一つは、ジジババがハンドル握ってるのを見るでしょう、停止線で停まるかな? 不意に飛び出さないかな? ってね、すごーい疑いの目つきで見ちゃうんですよ、あたし。
同年輩の人たちですからわかるんです。信用できないわよ。でね、私だって疑いの目つきで見られてるわけじゃないですか。ヒトにそういう心配させつつ続けるのって、どうよ?
あのジジババと私は別よ、って言える? 言えないわよね。いや、言っちゃいけないんだわ。
いいから。もひとつは? と係員。
こっちが肝心なんです。それは、車から公共交通機関に、いつか切り替える時期がきます。市街地に住んでいるのですから。切り替え時期が、あまり遅いと変化に順応できにくいでしょ。
適応できる力がある年齢のうちに切り替える必要があると考えているからです。車、好きだけど。すごく必要だけど。
困ったな。「その他」に丸するかな?
その他か。あたしの人生っぽいなあ、その他って。 
いいね? これ、穴あけちゃうよ!
悲しかった。もう走り回れないんだ。ギザギザパンチを入れたカードを返してもらった。
でも切り替えなくちゃ。先を見つめて元気に進むためだ。
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