カラスとハクチョウ
02-10-11 22:43 更新 カテゴリ:世相
烏と白鳥の観察が「世相」に分類されるかどうか疑問だけれど、両者の違いは黒白だけではない。烏は、おしなべて仲が良く、烏同士の争いというものを、私は見たことがない。ほかの鳥を追いかけたり、追いかけられたりする事は、よくある。あんがい弱くて、オナガにやられて逃げ惑うのである。
性質が露になるのは食物を見つけたときで、烏は極く少量の餌を1羽が見つけた時は、ひとり黙って食べてしまう。2羽で少量の餌を見つけた場合が問題になるが、2羽揃って少しずつ食べる時と、1羽がほとんど食べ尽くしてしまうまで、離れて待っていて、残りを、もう1羽が食べる場合がある。しかし、取り合って争うことはしない。これが烏の大きな特徴だと思う。大量の餌を発見したとき、これはゴミ置き場で生ゴミ発見の場合が多いのだが、自分だけで食べきれない大量の餌だと認識したとたん、大声で喚き出すのである。この声によって近隣の烏が一挙に集合することになる。集まって来た烏同士は、ポリ袋を破いたり、ネットを持ち上げたり協力して働く。この有様は見事というしかない。
一方、山中湖で保護され、繁殖もしているコブハクチョウの態度をつぶさに観察することができた。白鳥の餌として売っている粒餌を撒いてやる。あるいは食パンのかけらをあげる。一握りの餌を一カ所に撒くと、数羽が集まってくるが、中でも大柄な白鳥が、傍らから食べようと首を伸ばして来た者に噛みつく。噛みつくといっても歯がないので嘴で相手の長い首を力任せに挟むのだ。これで相手は怯み、食べられない。そのあいだにあるだけを1羽が急いで食べてしまう。これでは体格の良い者がたくさん食べる一方、食べられない者はほとんど餌にありつけないことになる。私は離れた所に別々に撒いてやるが、これは一時しのぎでしかない。見とれる美しさの白鳥には似合わない態度。このような独り占めの態度は、鶏にも見られる。レグホンという白い鶏がいるが、これも餌の取り合いが激しくて、弱い鳥は頭を突つかれて血だらけにされてしまう。白鳥は嘴ではさむのだが、鶏は突つく。
嫌われ者の烏は、姿で嫌われるが行いは見ていても快い。ゴミを散らかす云々の苦情は、烏の側ではなく人間側の問題なのだ。姿で愛でられる白鳥は、行いについては、あまりよいとは言えないのだが、人々は目を細めて白鳥を眺め、写真を撮り、烏は追い払われる。
性質が露になるのは食物を見つけたときで、烏は極く少量の餌を1羽が見つけた時は、ひとり黙って食べてしまう。2羽で少量の餌を見つけた場合が問題になるが、2羽揃って少しずつ食べる時と、1羽がほとんど食べ尽くしてしまうまで、離れて待っていて、残りを、もう1羽が食べる場合がある。しかし、取り合って争うことはしない。これが烏の大きな特徴だと思う。大量の餌を発見したとき、これはゴミ置き場で生ゴミ発見の場合が多いのだが、自分だけで食べきれない大量の餌だと認識したとたん、大声で喚き出すのである。この声によって近隣の烏が一挙に集合することになる。集まって来た烏同士は、ポリ袋を破いたり、ネットを持ち上げたり協力して働く。この有様は見事というしかない。
一方、山中湖で保護され、繁殖もしているコブハクチョウの態度をつぶさに観察することができた。白鳥の餌として売っている粒餌を撒いてやる。あるいは食パンのかけらをあげる。一握りの餌を一カ所に撒くと、数羽が集まってくるが、中でも大柄な白鳥が、傍らから食べようと首を伸ばして来た者に噛みつく。噛みつくといっても歯がないので嘴で相手の長い首を力任せに挟むのだ。これで相手は怯み、食べられない。そのあいだにあるだけを1羽が急いで食べてしまう。これでは体格の良い者がたくさん食べる一方、食べられない者はほとんど餌にありつけないことになる。私は離れた所に別々に撒いてやるが、これは一時しのぎでしかない。見とれる美しさの白鳥には似合わない態度。このような独り占めの態度は、鶏にも見られる。レグホンという白い鶏がいるが、これも餌の取り合いが激しくて、弱い鳥は頭を突つかれて血だらけにされてしまう。白鳥は嘴ではさむのだが、鶏は突つく。
嫌われ者の烏は、姿で嫌われるが行いは見ていても快い。ゴミを散らかす云々の苦情は、烏の側ではなく人間側の問題なのだ。姿で愛でられる白鳥は、行いについては、あまりよいとは言えないのだが、人々は目を細めて白鳥を眺め、写真を撮り、烏は追い払われる。