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壺猫

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独居の不安

独りの時に闖入者が現れたらどうしよう、それが強盗だったりしたら。あなたは、そんなことを考えたことはないですか? と友達が訊ねた。メールのやりとり。電話のおしゃべりではなくメールだと、ゆっくり考えをまとめることができる。すっかり防犯談義となった。
いちばん可能性が高いのが居空きで、自分が家に居るという自信から、お勝手にいるのに二階を開け放っていたりするものだ。室内犬がいると、居空きの心配は皆無と言ってよい。小型犬といえども心底信頼できる。千早のような日本犬だったら侵入者にとっては恐怖そのものである。千早と一緒に暮らしていたときは、戸締まりなんか不要だった。夜中でも、チハ見てきて。と囁くと、身を起こしてガラス戸に開けてあるフラップから庭へ出て、庭中を見て回って戻ってきた。
ところがいま、私が共に暮らしているのはネコ。お富士さんについては、この2年間でだいぶ理解してきた。聴力は鋭い。およそ犬の倍はある。ネズミのキーキー声のような高い音に敏感で方向も正確に捉える。もしも居空きが侵入したら犬と同様に察知するはずだ。しかし、ここからがちがう。犬は瞬間的に主人を思う。報せる反応が瞬時に現れる。ネコ殿は、自分自身の感覚に没頭する。誰かに報せるなんて、頭にない。どこに何がいるか、どの方向に動きつつあるか、身体全体で観察して緊張する。手強いと感じると背筋の毛並が総毛立つ。もっと緊張すると長い尾が煙突掃除のブラシのように逆立つ。あら、なにかしら? と興味が湧いているときは、尾が楽しそうに踊るのだ。耳の立ちよう、視線の方向、姿勢、毛並、尾を見て、なんかあるな? と受け取る必要がある。ネコは知らん顔だ、冷淡だ、と見ないで、ネコ本意に見て取ると、身体全体で表現してくれていることがわかる。ときおりネコを見ることで家の安全がわかる。というわけで、猫的防犯になってきた。
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