水木しげる、あちらに移動
03-12-15 11:22 更新 カテゴリ:世相
水木しげるさんが亡くなられた。昨日、京王線・調布駅を通りかかったところ、改札口に立て看板あり、深大寺行きバスの案内が出ていた。先年より市バスの車体に鬼太郎一族が描かれており、妖怪カフェもあり、深大寺には、もっとあるので多くのファンが集まるのだ。境港市と調布市の両方で、そして全国で親しまれている。
以前のことだが、仕事で水木家を訪問した人から聞いたのだが、膨大な量の資料に息を呑んだ、と言っていた。極貧時代の後、次第に収入を得ることができるようになったとき、彼がまっさきに手に入れようとしていたものは、日本の伝統資料だった。幽冥界、妖怪世界と付き合う生身の人間は、うっかりすると行ったきりになりかねないものである。まじめに危険なものなのだ。しかし水木しげるは、大丈夫だった希有の人である。冗談とユーモア、そして奥さんが、この世に3割の居場所を確保してくれていたのではないか。たぶん、今迄どおりに行ったり来たりなさるのではないだろうか。
鬼太郎は昭和の少年だ。半ズボンに、素足の下駄履き。チャンチャンコは鬼太郎が背負う伝統であろうか。このキャラクターは、それまで柳の木の下にいた「お化け」を、子どもたちの遊びの場に引き出してしまった。墓場で運動会。これでは怖くない。
この大転換は、たぶん成り行きから生まれて育ったものだろうと推測するが、非常に大きな出来事だった。私は、水木作品とディズニーが産みだした数々の古典作品の映画、たとえばグリムの映画を並べて考えており、この二つが世界中に及ぼした影響の大きさを思う。闇を闇でなくし、恐怖を消した水木。結末の悲劇・残酷性を消して王子王女の結婚などの幸せに変換したディズニー。
時代の流れから生まれる必然的変化であるかもしれないが、双方、「こどもたち」に与えているのだ、この力を。影響は、じわじわと現れつつある。どうする?
以前のことだが、仕事で水木家を訪問した人から聞いたのだが、膨大な量の資料に息を呑んだ、と言っていた。極貧時代の後、次第に収入を得ることができるようになったとき、彼がまっさきに手に入れようとしていたものは、日本の伝統資料だった。幽冥界、妖怪世界と付き合う生身の人間は、うっかりすると行ったきりになりかねないものである。まじめに危険なものなのだ。しかし水木しげるは、大丈夫だった希有の人である。冗談とユーモア、そして奥さんが、この世に3割の居場所を確保してくれていたのではないか。たぶん、今迄どおりに行ったり来たりなさるのではないだろうか。
鬼太郎は昭和の少年だ。半ズボンに、素足の下駄履き。チャンチャンコは鬼太郎が背負う伝統であろうか。このキャラクターは、それまで柳の木の下にいた「お化け」を、子どもたちの遊びの場に引き出してしまった。墓場で運動会。これでは怖くない。
この大転換は、たぶん成り行きから生まれて育ったものだろうと推測するが、非常に大きな出来事だった。私は、水木作品とディズニーが産みだした数々の古典作品の映画、たとえばグリムの映画を並べて考えており、この二つが世界中に及ぼした影響の大きさを思う。闇を闇でなくし、恐怖を消した水木。結末の悲劇・残酷性を消して王子王女の結婚などの幸せに変換したディズニー。
時代の流れから生まれる必然的変化であるかもしれないが、双方、「こどもたち」に与えているのだ、この力を。影響は、じわじわと現れつつある。どうする?