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Oct 2016

無礼は無礼だ

アメリカのシンガーソングライターのボブ・ディラン氏のノーベル賞受賞が決まった。アカデミーが授与の連絡を試みたが、本人と連絡が取れない状態のままだという。受賞決定後にコンサートを開いたが、賞について言及することはなかった。
際立った働きを成し遂げる人々の中には、独自の価値観を持って人生を作り上げ生きる人が多くいるから、「普通」「並」からはみ出していたとしても、それは十分許容されてしかるべきだと思う。
しかし、この世に生きる以上、欠くべきでないのが礼儀だ。簡単に言うと「挨拶」。
ボノボという、チンパンジー属の猿がいて研究が進んでいるが、群れの暮らしの中で、きちんと挨拶が交わされていることが観察されている。怠るとひどい目にあうそうだ。
人類が使う言葉は、社会生活に使う言葉と芸術に使う言葉が一見、渾然として分かち難く見える。ボブ・ディランが歌い聞かせて多くの人の心に届ける言葉と、アカデミーに挨拶する言葉は、別種の言葉だろう。アカデミーに返すべき言葉は、ボノボが使う言葉と同種のツールであって、芸術ではない。
賞が欲しくない人はいる。サルトルは断ったが、断りの手紙を出したそうだ。映画のアカデミー賞を受賞したマーロン・ブランドは、受けることは受けたが授賞式は欠席して代役を出した。
その賞、お断りしますが、仲良く付き合いましょうね、というときは礼を尽くすべきで、以後、お付き合いも断る、私の作品を見てくれるな、歌も聴いてくれるな、という希望であるなら、音信不通は、大きなメッセージだから納得できる。これを混同して気ままな態度であるならば、ボノボの風上にも置けない。ボブ・ディラン氏が、どっちかなということは、これからわかるだろう。

以上を書いたのは2016-10-24だった。
その後2016-12-10にノーベル賞授賞式が開かれてボブ・ディラン氏は欠席した。しかしスウェーデン・アカデミーは、彼からメッセージを受け取り、アメリカ合衆国のスウェーデン駐在大使、アジタ・ラジ氏が代読した。スピーチに替わる手紙の文章は、原文と日本語にも翻訳されて人々に届けられた。
それは誠実に丁寧にしたためられた、彼が心の底から思っていることがら、とてもたいせつにしている彼の考えで埋まっていた。とりわけシェークスピアに関する彼の思いは、輝き眩しく、世上に通用するボノボ言葉から再び詩人の言葉へと飛翔してゆくかに見えた。
ボブ・ディラン氏は、受賞の知らせを受けた時から、この手紙を書こうと決めるときまでの間、一所懸命にボノボの言葉を思い出そうとしていたんだ、と思った。彼は、生まれてからずっと、たぶん眠っている夢の中でさえも、わが身の声で歌い続ける鳥の人なのだった。よかったね。鳥は鳥かごに入れようとしないほうが良い。みんな、耳をすませて聞き入りましょう。
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鳥取の地震

昨日の午後、鳥取県中部で震度6.6の地震が起きた。この土地の地震は余震が多いという。その通り、今朝のニュースでは、地震発生以来、今朝までに130回以上の余震があったと報道していた。大切な知人の誰彼を思い、落ち着かぬ。

それにつけても原発は日本列島を蝕む癌だ、進行性悪性腫瘍。
なぜ、反対する自治体は、安全が確認されないから、とか避難方法が万全ではないから、とか議論するのだろう。私には理解できない。あんなもの、なければ避難はありえないじゃないか。
今回の新潟県知事選挙では、新潟県民、一人一人の意識が結集した結果だった。一粒一粒は、まともなことを感じて考えているということが表に出たのだ。腐った知事が選出されていると、「上」と「上」の話し合いで「金」で動いてしまう。個人は無視だ。
膨大なお金は無駄な使い方をされて、関係する「上」たちは私腹を肥やすのである。
結果、得るものはなんだろう。補助金を浴びて食う親たちに育てられた子らは、親から何を学び取り成長するのだろう。どんな子どもたちが育つだろう。
こんな当たり前のことを知らない人はいないので、改めて書くことはないのだけれど、鳥取だって、あのように美しい海、美しい川筋、きれいな空気、自然の宝に満ち満ちているのに、島根県松江市の原発、愛媛県伊方原発がそばにあるのだ。伊方は離れている、などとのんきなことを思う人は、まさかいないだろう。
テレビのCMを見ると、あるいは娯楽番組では、これ以上あるか、と思うくらいのご馳走を食べる場面が出てくる。
元禄時代の再来ではないか、と暗い気分になるが、豪華な料理、贅沢を極めた食材。もてはやす人々。その裏側には原発が点在しており、地震ゼロの一週間があったかと問いたい。
 日本列島の海岸線を辿ることができない、ということを日本人は知っているのか。どう考えているのか。
なぜ海岸線を一回りできないか。それは原発プラントが海に開かれ、道路を遮断し、一般市民から隔絶した区域を作り上げているからだ。これは不自然で、不健康で、危険なことだ。
 これらのプラントからは、ものすごい熱が海水に放出され続けており、異常発生するクラゲやヒトデなどと関係があるのではないかと私は疑っている。太平洋はすでに汚染された。これが事実だ。
地震が起きるたびに私は、案ずる気持ちと抱き合わせに、原発に対する怒りが燃え上がる。
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白柘榴

9月27日のこと、クール宅配便が届きました。小さな箱。送り主は山陰の文人。
いつもながらの達筆、流麗な手紙を添えて届けてくださった香りは金木犀。短くまとめた花束の切口が優しく湿らせてあり、生き生きとした黄金の花の香りが一気に部屋へ躍り出ました。お庭の一枝です。
金木犀の花束の下に座っていたのが、これもお庭の柘榴で、なんと白い粒の柘榴、私は生まれて初めて白柘榴を見ました。柘榴は、子供の頃に庭に植えられており、一つずつもらって箱ブランコに乗って食べていた思い出の実です。
白い実の柘榴は、ルビーのような柘榴とは対照的に静謐さを湛え、半透明の白い粒は水晶のような和の色合いです。
10月に入った今朝も金木犀は手製の小壺にいて、緑の枝葉を柘榴の実に添わせて、ちょっと描きたくなる佇まいです。
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