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Jul 2019

ウチの子たちが

今年の雨季は長く、稲や果樹など案じつつ7月下旬まで来てしまったが、ようやく西から梅雨明けの報せが入るようになった。
今週末の台風が無事に通り過ぎたら、関東地方もいよいよかんかん照りの真夏になるだろう。
久しぶりの晴天、読みさしの本を持って庭のベンチブランコに出た。
わずかに揺れるブランコの腕木にトンボがとまった。
薄青い尾が伸びて、水平に開いた羽の縁が陽にきらめく。私が獲ろうとしないので手の届く距離に止まっている。
ビオトープから生まれ出たトンボだから、いわばウチの子だ。
2、30匹は巣立っただろうか、そのうちの何匹かが目に入る。じっと止まっているトンボは、時折急発進して飛びまわり、同じ場所に戻ってくる。
これを繰り返すのは、見つけた小虫を捉えているためだ。
このトンボのおかげで、蚊に刺されることがなくなった。ブランコに揺られていても蚊に喰われない。
トンボがガードマンになってくれている、と気づいて思わずにっこり、こういうのを破顔一笑というのでしょうか。
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高校生メダカ

気がついたら3週間も経っていた。この間、怠けていたかというと、そうではない。
メダカの世話に専念していた。針の先ほどの赤ちゃんメダカが次々に孵化して、幾つもの浅いパッドで育ちつつある。日に少なくとも数回は餌やりをしなければならず、これは今朝も終えた作業だ。
餌をやると同時に、汚れる水の管理が欠かせない。むしろ、この方が難しい。が、楽しい。
何が楽しいかって、メガネをかけて虫眼鏡をかざして見つめる小さな卵の中の目玉、これに心臓があって脈打ち、やがて孵化して針先サイズの魚となって泳ぎまわり、日に日に育ってゆくさまを見つめる、命が生まれ育つ様を見つめているんだという実感が、こちらのハートに響くのがたまらない。
もう30年以上も飼い続けている緋メダカだが、親が子になり孫になり、代々続いてきているものだ。
最初は全部緋メダカだったが、代を重ねるにつれて源に帰るのだろうか、フナのような濃い灰色のメダカが増えた。
畳1畳ほどのビオトープに大人メダカがいて、赤ちゃんメダカは生まれた時期により、それぞれの飼育容器にいるが、5月に孵化した一番手が高校生程度の大きさに育った。
もう、梅干しの壺では窮屈になってきたので、よく育った子を選んでビオトープに移した。
これはもう、転校生が新しい教室に入るようなものだから、見守るこっちは親の気分だ。
まずは全員が食事前の、空腹な早朝に、そっと入れてやる。8匹の高校生、今までは大きな顔をして小柄な仲間を蹴散らしていた連中だが、想像もできない広さに怖気づいて固まっている。群れを、作っている。
大人たちは卵を腹につけているものも多数いて、私の足音を感知して遠くへ逃げている。誰もいない片隅に入れられた8匹は、次第に中央へと進み始め、大人たちは足音が消えたので広がり始め、ついに顔をあわせるときがきた。
あれほど威張って大きな態度だった高校生メダカ8匹は、倍もあろうかと見える大人たちの大群を前に、完全にたじろいだ。
楽しいのは、こういう有様を眺めるときだ。緊張している高校生に出会った大人たちは、気づいて、わかっているのに無関心な態度だ。これが針のように小さな子を入れたら、空腹であれば食べてしまう。
食べる気が起きない程度のサイズになって初めて一緒に暮らせるというわけだ。ここで餌を撒いてやる。一斉に餌に群がる全員。めでたし。
次からは、新入りは先輩高校生にくっついて群れを作るので、一番手よりは楽に参加できる。今年生まれのメダカは今年生まれで群れるから、これからは毎日少しずつ参加させてゆくことになる。
これから元気に泳いで体力を作り、冬に備えて行くことになる。
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