文房 夢類
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平和祈念像

長崎の平和祈念公園にある平和祈念像の作者、北村西望は、この像の製作を長崎市から依頼された。この巨大な祈念像をつくるためのアトリエを東京都が井の頭公園内に用意したと言われる。彫刻館はA館B館の2棟あり、井の頭池のある区域と道路を隔てた井の頭自然文化園内にある。
彫刻は、館内の展示と園内の各所に置かれている作品とあり、訪れる人たちは風景に溶け込んでいる数々の彫刻を、ごく自然に目に入れている。
西望は、1884年長崎生まれで、102歳で亡くなる際まで旺盛な制作活動を続けた、非常に頑健な人だったらしい。西望という名は父が名付けた本名で、西行と同様、西方浄土を載せた名であるらしい。たいそう信心深い父だったようだ。
五月の緑に包まれて「若き日の織田信長」や「咆吼」と題する精悍な獅子像などがあり、それは見事に樹木、空、そして遊ぶ幼児たちと調和していた。この一郭に西望の結界が張られているかに感じられて、私は強い個性の彫刻群と潤沢な時を過ごすことができた。
大正、昭和初期の作品には、山本五十六像や、軍人の騎馬像などが多くみられたが、敗戦直後にも制作を続けているのには驚いた。あの、食べるにも事欠いた最悪の時代に制作していたとは。しかも怒りや苦しみではなく、それは祈りの姿だ。長崎の像と重なる表情の作品がいくつもあった。
これは凄いことだ、古来、世界中に見られる奴隷をかたどった彫刻などには、虐げられ苦しみに喘ぐ姿がいくらでもある。しかし西望は「平和の女神」を何体も刻むのだった。下の写真は、両方とも「平和の女神」
平和の女神DSCN1321

死刑宣告

日曜の朝のTVで、藤井裕久さんと石破茂さんがゲストで話していた。話題が都知事の各種疑惑問題になったとき、藤井さんが、「他の人と同じ発言をしたとしても、彼の言葉は、もう信じて貰えない」と言った。石破さんは、「ご免なさいと謝る勇気が必要だ」と言った。自分の発言を信じて貰えないと言うことは、言葉を命とする職業の人にとっては死を意味するから、これは死刑宣告に等しい。今年のキーワードを「勇」にしている私は、ここで勇気という言葉が出たことに感銘を受けた。潔く謝ることができる人は、立派だ、と思う。
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