March 2020
雪の日に家出猫
30-03-20 11:29
3月の終わりに来て雪が積もった。この冬の初雪ではないが、はじめての雪らしい雪の日になった。
外猫のマルオは千早のために作った犬小屋、千早ハウスに入って22時間持続のホッカイロを入れてもらって、この冬を過ごしてきた。ハウスの中に猫輪っかを入れて、その中に入り、ガラス戸越しに私のいるリビングを眺めて過ごしている。
正午前後は雪が降りしきり、フェンスの上などは10センチほども積もった、と見たらマルオがいなかった。この雪の中を、どこへと思ったが、次に気づいた夕方にもいなかった。朝夕に富士と一緒の時間にご飯を食べるのだが、いない。
待つ。富士も待っていた。初めのうちは、そのうち来るでしょう、と思い、次第に、どうしたのかしら、となり、暗くなってきた時は、雪の道を行ったり来たりしながら小さな声で、マルオ? マルオ? と呼びかけながら歩いた。
この老いた雄猫は、このあたりで生まれ、生き延びてきた野良猫だ。なんとか一生を全うさせてやりたいと思って衣食住の世話をしている。親も兄弟も知らず、周囲にいる数多の人間は友好的ではない社会に、たった一人で生きているのだ。
はじめは、引っ掻く、噛み付く、しかできなかった荒々しい雄猫が、次第に手から食べることを覚え、抱かれるようになり、呼べば走り寄るようになり、今は毎朝顔を拭き、ブラシをかけてもらうのを待ち構えているようになった。
それが、出て行った、それも雪の日に。
メールで騒ぎ立て、夜更かしをして表を眺めるが気配もない。二次災害は笑い者になるだけだから動くのは諦めて、ついに「まじない」に頼ることにした。
まじないとは、ここに掲げる歌を紙に書いて、戸口に貼るというものだ。それも、上の句だけを書いて貼る。めでたくまじないが効いて猫が戻った時には、すぐに下の句を書き加えて謝し、この紙を燃やす、というものである。
立ち別れいなばの山の峰に生ふる 松とし聞かば今帰り来む
今朝、マルオは千早ハウスの中の猫輪っかの中にいた。無事で、無傷だった。
いそいそと下の句を書いて燃やした。終わってみれば、なんか私が遊ばれているようなものだった。
外猫のマルオは千早のために作った犬小屋、千早ハウスに入って22時間持続のホッカイロを入れてもらって、この冬を過ごしてきた。ハウスの中に猫輪っかを入れて、その中に入り、ガラス戸越しに私のいるリビングを眺めて過ごしている。
正午前後は雪が降りしきり、フェンスの上などは10センチほども積もった、と見たらマルオがいなかった。この雪の中を、どこへと思ったが、次に気づいた夕方にもいなかった。朝夕に富士と一緒の時間にご飯を食べるのだが、いない。
待つ。富士も待っていた。初めのうちは、そのうち来るでしょう、と思い、次第に、どうしたのかしら、となり、暗くなってきた時は、雪の道を行ったり来たりしながら小さな声で、マルオ? マルオ? と呼びかけながら歩いた。
この老いた雄猫は、このあたりで生まれ、生き延びてきた野良猫だ。なんとか一生を全うさせてやりたいと思って衣食住の世話をしている。親も兄弟も知らず、周囲にいる数多の人間は友好的ではない社会に、たった一人で生きているのだ。
はじめは、引っ掻く、噛み付く、しかできなかった荒々しい雄猫が、次第に手から食べることを覚え、抱かれるようになり、呼べば走り寄るようになり、今は毎朝顔を拭き、ブラシをかけてもらうのを待ち構えているようになった。
それが、出て行った、それも雪の日に。
メールで騒ぎ立て、夜更かしをして表を眺めるが気配もない。二次災害は笑い者になるだけだから動くのは諦めて、ついに「まじない」に頼ることにした。
まじないとは、ここに掲げる歌を紙に書いて、戸口に貼るというものだ。それも、上の句だけを書いて貼る。めでたくまじないが効いて猫が戻った時には、すぐに下の句を書き加えて謝し、この紙を燃やす、というものである。
立ち別れいなばの山の峰に生ふる 松とし聞かば今帰り来む
今朝、マルオは千早ハウスの中の猫輪っかの中にいた。無事で、無傷だった。
いそいそと下の句を書いて燃やした。終わってみれば、なんか私が遊ばれているようなものだった。
新型コロナウィルスとマスク
26-03-20 09:00
よんどころない用事で駅前まで行った。約2キロの道のりを歩いて往復した。バスに乗れば楽だし早いが新型コロナに限らず、あらゆる感染を回避するために冬場は歩くことが多い。
歩いている人は、たまにいる。土地柄もあるのだろう、車を利用している。私は春風の中をマスクをしないで歩いたが、人の気配もない道をマスクをして歩いている。なんか変な感じ。
配達の車や福祉関係の車の人は、必要不可欠だが、高齢者が一人で運転し、誰かを乗せているわけでもないのにマスクをしている。なんで? と思ってしまう。
駅前の信号まできた時に、信号待ちの間にマスクをした。どこから集まったのか、数人、十数人が信号待ちをしていて、向こう側からもやってくる。ここから先はマスクスタイルだ。
マスクが予防の役に立たないと知って使用しなかったが、今月に入ってからは、必ずマスクをしている。その理由は、マスクをしていれば他者を感染させる機会が減るからだ。
万一、自分自身が自覚のない保菌者であったとしたら、周囲の人に被害が及ぶ。人ごみの中でマスクをしない人が向こうからやってきたら、その人が大声で話していたら、人は感染を恐れて不安になるだろう。
人々の不安をかきたてないために必要だと思った次第。
歩いている人は、たまにいる。土地柄もあるのだろう、車を利用している。私は春風の中をマスクをしないで歩いたが、人の気配もない道をマスクをして歩いている。なんか変な感じ。
配達の車や福祉関係の車の人は、必要不可欠だが、高齢者が一人で運転し、誰かを乗せているわけでもないのにマスクをしている。なんで? と思ってしまう。
駅前の信号まできた時に、信号待ちの間にマスクをした。どこから集まったのか、数人、十数人が信号待ちをしていて、向こう側からもやってくる。ここから先はマスクスタイルだ。
マスクが予防の役に立たないと知って使用しなかったが、今月に入ってからは、必ずマスクをしている。その理由は、マスクをしていれば他者を感染させる機会が減るからだ。
万一、自分自身が自覚のない保菌者であったとしたら、周囲の人に被害が及ぶ。人ごみの中でマスクをしない人が向こうからやってきたら、その人が大声で話していたら、人は感染を恐れて不安になるだろう。
人々の不安をかきたてないために必要だと思った次第。
お彼岸
25-03-20 09:47
年に二度あるお彼岸の、春彼岸のほうが心待ちにされる。寒いと言いながら確実に暖かいほうへ顔を向けている日々。
黄色いラッパ水仙が満開、その足元が一面に緑色、これは青じその双葉。去年の秋に実を結び散るに任せていた種が、一斉に芽を出した。
如雨露で水をまいて土を湿らせておいてから間引いた。
一昔前に家庭菜園をしていた時、師匠から教わったことの一つに、抜き取るのは雨の後、という教えがあり、それを今も実行している。
雑草を抜き取るのも、菜の間引きも同じことで、カラカラに乾燥している土の時に引き抜くと、周囲もひっくり返ってしまう。
間引いた芽はサラダの上に散らしました。
黄色いラッパ水仙が満開、その足元が一面に緑色、これは青じその双葉。去年の秋に実を結び散るに任せていた種が、一斉に芽を出した。
如雨露で水をまいて土を湿らせておいてから間引いた。
一昔前に家庭菜園をしていた時、師匠から教わったことの一つに、抜き取るのは雨の後、という教えがあり、それを今も実行している。
雑草を抜き取るのも、菜の間引きも同じことで、カラカラに乾燥している土の時に引き抜くと、周囲もひっくり返ってしまう。
間引いた芽はサラダの上に散らしました。
入浴中の読書
03-03-20 22:18
湯船に温まりながら本を読む。これを是非、してみたいと願うようになったきっかけが二つある。一つは、実際に家庭の風呂で本を読むのが楽しみだ、という人の話を聞いたこと。もう一つは図書館の本に、非常にしばしば「水濡れ」本があることだ。
これはお風呂に入りながら読んだに違いないと想像し、入浴読書人は相当いるのではないかと思ったのだ。
私は長風呂が好きだから、本を読みながら小一時間も湯の中にたゆたっていたらもう、天にも昇る心地になるでしょう。が、実際に書物を浴室に持ち込む気にはなれなかった。湯の中に落とすことはないとしても、確実に強い湿気を紙が吸収する。これをしたら本がかわいそうすぎる。
と右往左往している時に、アマゾンの電子ブック、Kindleの第10世代が発売になった。これが防水機能付きと知った瞬間、身を乗り出し、買った。中1日置いて手元に来た10世代kindle paperwhiteを持って、いそいそと入浴。
こうなると何のための風呂かわからない。本を読むために風呂に入ったようなものである。浴室に入るなり湯船に飛び込んで開いた。
夢類さん、とKindleが呼びかけてくれた。もちろん文字で、である。「あなたは第2番目のKindleでXXX頁まで読んでいます。この頁へジャンプしますか?」OK 。第3番目の新顔にジャンプ。いそいそと読みかけの本の続きを読んだ。
うっかり湯船に落としても大丈夫なのである。もうもうと立ち込める湯気に囲まれていても平気なのである。何しろIPX8だ。防水等級IPX8とは、0から8までの9段階のうちのレベル8で、水面下での使用可能。具体的に言うと、深さ2mの水中に60分おいても大丈夫という能力。画面の明るさは程よく調節されており、湯気の中でも楽に読める。フォントもサイズも調節できるので紙の本よりも自分の状態に合わせてくれる。
やがて私は、焼酎のお湯割のグラスを片手にkindleを開き、湯の中で時を忘れるようになった。至福の時間の具現だ!
こうして何ヶ月かを楽しく過ごしてきた、そして今夜。雛祭りの宵のお風呂に私は、kindleを持たずに入った。ほどよい温かさの湯。身体中が緩み温まり関節がほどけてゆく、使いすぎの眼の芯もゆるんで、脳みそまでもが、ほんわかしてきた。
なんということだろう、この何ヶ月間かの間、長湯をしながら温かいお湯を感じていなかったのだろうか、久しぶりの入浴のような気がしている。
濡れた指先で画面の左下をタップする。次ページが現れる、読む。この繰り返しだった。集中して読めば読むほど、本の内容に引き込まれれば引き込まれるほど、身体の存在を忘れるのだった。小一時間入っていても、あっという間だった。温まったという感覚は、なかった。
温かい湯に浸るためだけにお風呂に入った雛祭りの今宵、久しぶりに長湯をしたなあ、と満ち足りて上がったが、一時間どころか、30分足らずだった。
これはお風呂に入りながら読んだに違いないと想像し、入浴読書人は相当いるのではないかと思ったのだ。
私は長風呂が好きだから、本を読みながら小一時間も湯の中にたゆたっていたらもう、天にも昇る心地になるでしょう。が、実際に書物を浴室に持ち込む気にはなれなかった。湯の中に落とすことはないとしても、確実に強い湿気を紙が吸収する。これをしたら本がかわいそうすぎる。
と右往左往している時に、アマゾンの電子ブック、Kindleの第10世代が発売になった。これが防水機能付きと知った瞬間、身を乗り出し、買った。中1日置いて手元に来た10世代kindle paperwhiteを持って、いそいそと入浴。
こうなると何のための風呂かわからない。本を読むために風呂に入ったようなものである。浴室に入るなり湯船に飛び込んで開いた。
夢類さん、とKindleが呼びかけてくれた。もちろん文字で、である。「あなたは第2番目のKindleでXXX頁まで読んでいます。この頁へジャンプしますか?」OK 。第3番目の新顔にジャンプ。いそいそと読みかけの本の続きを読んだ。
うっかり湯船に落としても大丈夫なのである。もうもうと立ち込める湯気に囲まれていても平気なのである。何しろIPX8だ。防水等級IPX8とは、0から8までの9段階のうちのレベル8で、水面下での使用可能。具体的に言うと、深さ2mの水中に60分おいても大丈夫という能力。画面の明るさは程よく調節されており、湯気の中でも楽に読める。フォントもサイズも調節できるので紙の本よりも自分の状態に合わせてくれる。
やがて私は、焼酎のお湯割のグラスを片手にkindleを開き、湯の中で時を忘れるようになった。至福の時間の具現だ!
こうして何ヶ月かを楽しく過ごしてきた、そして今夜。雛祭りの宵のお風呂に私は、kindleを持たずに入った。ほどよい温かさの湯。身体中が緩み温まり関節がほどけてゆく、使いすぎの眼の芯もゆるんで、脳みそまでもが、ほんわかしてきた。
なんということだろう、この何ヶ月間かの間、長湯をしながら温かいお湯を感じていなかったのだろうか、久しぶりの入浴のような気がしている。
濡れた指先で画面の左下をタップする。次ページが現れる、読む。この繰り返しだった。集中して読めば読むほど、本の内容に引き込まれれば引き込まれるほど、身体の存在を忘れるのだった。小一時間入っていても、あっという間だった。温まったという感覚は、なかった。
温かい湯に浸るためだけにお風呂に入った雛祭りの今宵、久しぶりに長湯をしたなあ、と満ち足りて上がったが、一時間どころか、30分足らずだった。