アゼルバイジャンを知るための67章
10-10-18-09:45-
『アゼルバイジャンを知るための67章』著者=廣瀬陽子(ひろせ ようこ)発行=明石書店2018年 サイズ=19cm 426頁 ¥2000 ISBN9784750346724
著者=東京大学大学院法学政治学研究科博士過程他に取得退学。政策メディア博士。慶應義塾大学総合政策学部教授。著書『ロシアと中国反米の戦略』など
内容=「エリア・スタディーズ」シリーズのNo.165。本書はアゼルバイジャン共和國について、67章の見出しをつけて紹介している。巻末に参考文献。
この国は「戦略的要衝」に位置することから、厳しい対外関係の中で生きぬこうと努力している国。その歴史、政治、民族、紛争、文化。そして日本との関わりなどを紹介している。執筆者たちは、それぞれアゼルバイジャンでの仕事の実体験を持ち、研究もしている専門家で、廣瀬陽子氏の担当部分も多い。
感想=アゼルバイジャンて、どこにある、どんな国? どこにある国か、聞かれても返事できないような国の一つだ。
この「エリアスタディーズシリーズ」は、こんな時に開くと、まるで行って見てきたかのようにわかる。アゼルバイジャンは、ソ連解体を機に独立した国だった。
この国の概説・歴史・政治・民族・人口・紛争・石油・経済・外交・文化。最後に日本との関わりが出ている。
とにかく日本について描かれている最終章を開いてみた。
あら~、梅酒を売ってるって。日本文化についてすごく知っているのだ、びっくり。
難民支援の章では(株)富士メガネの金井昭雄社長が難民の視力ケアについて書いている。なんという力と、心を傾けて支援していることか、感動した。日本の支援は半端じゃないのだ。
アゼルバイジャンの大きな見どころが建築。
オイルと天然ガスなどの地下資源が土台となり、首都バクーは、建築見本市のような実験的・冒険的建築が次々と建てられているという。多数の写真が出ているが、カラーで、大判で見たかった。
カスピ海沿岸の海洋公園に建つ絨毯博物館は、巨大なぐるぐる巻きの絨毯だ!
思わず読みふけっていたら、ザハ・ハディド氏の、ありえないような曲線集合体の複合施設があった。ザハさん。そうだった、彼女が東京新国立競技場のデザインを提供されたのだった。あれを見たときは、なんという形かしらと呆れたのだったが、アゼルバイジャンに建つザハさんの作品建築は、想像を絶するものである。これに比べたら、日本向けのデザインなどは大人しいものだ。もっと活躍していただきたかった、としみじみ思う、なんという勇気と想像力を持った作家だろう。私は、建築家という職業ほどヒトと密着している仕事はないとさえ思う。建築家は哲学者でもあるとも思う。私はガウディを信奉しているので、女性建築家、ザハさんをもっと応援したかった。私はザハさんの建築を眺めるために、アゼルバイジャンに行きたい。
ここまできたら止められなくなり、文学のページへ飛び、オイル、国際関係へ、民族へと結局全部読む羽目になった。
名前について詳しく書かれていて、男性の名前、女性の名、政治の移り変わりで名付け方が変化するなど、思わぬところで、土地の人たちに直接出会ったような、興味と親しみを感じた。
ザハさんにも会えたし、リンゴが富士と呼ばれていることも分かった。
この本のおかげで良い旅をしたことを感謝しますが、実際に行きたくなってしまうところが、このシリーズの毒です。
著者=東京大学大学院法学政治学研究科博士過程他に取得退学。政策メディア博士。慶應義塾大学総合政策学部教授。著書『ロシアと中国反米の戦略』など
内容=「エリア・スタディーズ」シリーズのNo.165。本書はアゼルバイジャン共和國について、67章の見出しをつけて紹介している。巻末に参考文献。
この国は「戦略的要衝」に位置することから、厳しい対外関係の中で生きぬこうと努力している国。その歴史、政治、民族、紛争、文化。そして日本との関わりなどを紹介している。執筆者たちは、それぞれアゼルバイジャンでの仕事の実体験を持ち、研究もしている専門家で、廣瀬陽子氏の担当部分も多い。
感想=アゼルバイジャンて、どこにある、どんな国? どこにある国か、聞かれても返事できないような国の一つだ。
この「エリアスタディーズシリーズ」は、こんな時に開くと、まるで行って見てきたかのようにわかる。アゼルバイジャンは、ソ連解体を機に独立した国だった。
この国の概説・歴史・政治・民族・人口・紛争・石油・経済・外交・文化。最後に日本との関わりが出ている。
とにかく日本について描かれている最終章を開いてみた。
あら~、梅酒を売ってるって。日本文化についてすごく知っているのだ、びっくり。
難民支援の章では(株)富士メガネの金井昭雄社長が難民の視力ケアについて書いている。なんという力と、心を傾けて支援していることか、感動した。日本の支援は半端じゃないのだ。
アゼルバイジャンの大きな見どころが建築。
オイルと天然ガスなどの地下資源が土台となり、首都バクーは、建築見本市のような実験的・冒険的建築が次々と建てられているという。多数の写真が出ているが、カラーで、大判で見たかった。
カスピ海沿岸の海洋公園に建つ絨毯博物館は、巨大なぐるぐる巻きの絨毯だ!
思わず読みふけっていたら、ザハ・ハディド氏の、ありえないような曲線集合体の複合施設があった。ザハさん。そうだった、彼女が東京新国立競技場のデザインを提供されたのだった。あれを見たときは、なんという形かしらと呆れたのだったが、アゼルバイジャンに建つザハさんの作品建築は、想像を絶するものである。これに比べたら、日本向けのデザインなどは大人しいものだ。もっと活躍していただきたかった、としみじみ思う、なんという勇気と想像力を持った作家だろう。私は、建築家という職業ほどヒトと密着している仕事はないとさえ思う。建築家は哲学者でもあるとも思う。私はガウディを信奉しているので、女性建築家、ザハさんをもっと応援したかった。私はザハさんの建築を眺めるために、アゼルバイジャンに行きたい。
ここまできたら止められなくなり、文学のページへ飛び、オイル、国際関係へ、民族へと結局全部読む羽目になった。
名前について詳しく書かれていて、男性の名前、女性の名、政治の移り変わりで名付け方が変化するなど、思わぬところで、土地の人たちに直接出会ったような、興味と親しみを感じた。
ザハさんにも会えたし、リンゴが富士と呼ばれていることも分かった。
この本のおかげで良い旅をしたことを感謝しますが、実際に行きたくなってしまうところが、このシリーズの毒です。