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植物はすごい
』著者=田中修(たなか おさむ) 発行=中央公論社2012年 238頁 840円 ISBN9784121021748 中公新書2174
著者=1947年京都生まれ 甲南大学理工学部教授 農学博士 植物生理学専攻 著書『つぼみたちの生涯』ほか
内容=身近な植物の持つさまざまな能力を紹介、解説。
感想=著者は、NHKのラジオ「夏休み子ども科学電話相談」で、子どもたちの質問に答えてくださる先生のひとりである。私はこの番組が大好き。幼稚園生にもわかるように、むずかしいこともわかるように説明してくれる。本書も、とてもわかりやすい。しかし内容は深いものがある。なんとなく眺めてきたタンポポも、葉っぱを広げて中央からまっすぐ茎を伸ばしている、こんな当たり前に見える姿も、場所取りで葉を広げて花を目立たせようとがんばっているのだ、という解説にはおどろいたり笑ったりである。
植物たちが持つ「すごさ」は、目を見張るものがあるので、おすすめ。なんとなく当たり前に眺めてきた野菜や果物、雑草などを、すごーい、と見直すし、知っていると役に立つ。一番すごかったのはキャベツの生長で、1粒、約5ミリグラムの種が、約4ヶ月で24万倍になるという事実。これを、1000円が、4ヶ月後に2億4千万円になる、と言われると、ただただ、すごーい、と叫んでしまう。