文房 夢類
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文房 夢類

現代の民話

現代の民話』著者=松谷みよ子 発行=中央公論社2000年中公新書¥700ISBN4-12-1015509
内容=民話は過去の遺産のみではなく、現代も産まれ続け、語り継がれる生き物であるという主張が込められて集めた数々。
感想=松谷みよ子さんが一生を通して続けた仕事の核心の部分だと感じた。昔、タヌキやキツネが、と語られてきた民話に、やがて汽車が現れる。タヌキが汽車に化けて、誤って本物の汽車と衝突してしまった、など。神かくしも民話に良く出てくるが、いま現在の北朝鮮に拉致されて半世紀ものあいだ、苦忍の年月を刻む人々と繋がっていること。離れた地方でお互いの関連もなく発生する同じ物語について。
民話が、なぜ民話の形を取っているのか、そこに何が込められているのか。
民話の形で生き延びようとしてきた人の心を訪ねて全国を歩き収集した土台の上に、今を生きる場で何が求められているか、するべきかを深く考えてきた松谷みよ子さんの意志が、ハッキリと伝わってくる。それぞれの立場で引き継いでいかなければならない。
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