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極北の犬 トヨン

極北の犬 トヨン』TOYON,a dog of North and his people ニコライ・カラーシニコフ(Nicholas Kalashnikoff)著 高杉一郎訳 1997年徳間書店発行 ISBN4-19-860725-7 318頁 128mmX182mm
著者=1888〜1961シベリア生まれ 人民解放運動に加わったために政治犯としてシベリアに流刑。のちにアメリカに移住、英語で子ども向けの物語を書いた。本書はドイツ語に訳されて、ドイツ児童図書賞大賞受賞。
訳者=1908〜2008 本名小川五郎 小説家 評論家 翻訳家 改造社勤務の後、徴兵。シベリアに抑留される。のち、静岡大学などで教える。
内容=著者の実話をもとに30年後に英語で書いた児童向け物語。政治犯の青年がシベリアに護送される途中、泊めてくれた家の主、猟師のグランが語ってくれた、彼の犬、トヨンを中心とした物語。シベリア東部の厳しい自然、その地で暮らすヤクート人たちの暮らし、悲惨だったグランの出発点と、どん底で出会った妻との絆、少年少女が成長して結婚に至るまでの清涼で熱い物語などが織りなす、深い感動の家族の歴史である。犬と人と一体となった一家族の、物語である。
感想=著者も、訳者も、シベリアに流刑になった人なのだった。訳者の訳文は、ただの訳ではない、身体で、心で、シベリアの自然を描いてくれている、と感じた。穏やかで、美しい日本語である。このような著者と訳者の出会いは滅多にないことで、読者にとっても、またとない僥倖だと思った。優れた犬と出会い、対等な深いつきあいをした経験のある人だったら、すべて納得の行く人と犬の姿が描かれる。子犬が成長してゆくありさま、幼女が娘に変身し、女に変化してゆく姿、脇に出てくる老人の知恵の深さ、トナカイやオオカミの習性の描写など、どこを見ても、すばらしい、の一言に尽きる。
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