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ボタン穴から見た戦争

ボタン穴から見た戦争Последние свидетели 1985 著者=スベトラーナ・アレクシエービッチSvetlana Alexievich 訳=三浦みどり 発行=群像社 2000 ISBN905821797 P3042000
著者=『チェルノブイリの祈り』参考
内容=3歳から11歳の白ロシアの子供たちが1985年、彼らの記憶を語る。
感想=1941年に戦争が始まったとき、ほんの子供だった101人の人たちが今、生き延びていて、アレクシェーヴィチに、子供の時に刻まれた傷を見せた。いまは、さまざまな職に就いている人たちだ。
著者の「はじめに」の一節を紹介します。
「誰がこの本の主人公なのか、という質問にはこう答えましょう。[焼き尽くされ、一斉射撃を浴びた子供時代、爆弾や弾丸、飢餓や恐怖、父親を失うことによっても、死に追いやられたあの子供時代です]と。参考までに白ロシアの孤児院には1945年には2万6千人の孤児がいました。別の数字もあります。第二次世界大戦で1300万人の子供が死んでいます。そのうち何人がロシアの子供たちで何人が白ロシアの子供たちか、ポーランドの子供やフランスの子供は何人だったか、誰が言えるでしょう? 世界の住人である子供たちが亡くなったのです」
映像として音声として、脳の奥底に刻まれている戦争のことは、滅多なことでは他者に洩らすことはない、のではない、言えないのだ。言葉になんか出来はしないのだ。閉じ込められている恐怖、苦悩、目の前の死として見た母の姿をどうやっていま現在の、戦争のセの字も思わない平和な笑顔たちの前に披露できるだろう? 
アレクシェーヴィチは、この固い扉を、どうやって叩き、開いて貰えたのだろう? このことに驚嘆した。
お母さんとお姉さんが乗った列車が動き出した、走り出した、ちいさなワーリャは矢車草の花を摘んでいて乗り遅れた。追う、走る、この子の髪は白髪になった。このエピソード「私たちで生き証人は終わりです」で、この本は終わる。原題は『最後の生き証人』

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