原発事故環境汚染
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『原発事故環境汚染』副題=福島第一原発事故の地球科学的側面 編者=中島映至・大原利真・植松光夫・恩田裕一 発行=東京大学出版会出版2014年9月 148mmX210mm 312頁 ISBN9784130603126¥3800
編者=中島映至(なかじまてるゆき)東京大学大気海洋研究所教授・地球表層圏変動研究センター長
大原利真(おおはらとしまさ)国立環境研究所福島支部準備室研究総括・企画部フェロー
植松光夫(うえまつみつお) 東京大学大気海洋研究所教授・国際連携研究センター長
恩田裕一(おんだゆういち) 筑波大学生命環境系教授・アイソトープ環境動態研究センター 副センター長
執筆者 編者を含めて42名
ほかに用語集・参考文献・索引・執筆者一覧がつく。横書き。
内容=3部構成、全体で11章。1部では、基礎知識と福島原発事故の際の放射性物質の放出量の推定・大気への拡散・全地球への輸送・海洋への拡散・陸域への拡散と沈着について、160頁を費やして記録解説。2部は、防災インフラの整備と課題として、モニタリングシステムの整備・放射性物質の拡散モデリング・除染の3項目を論じている。3部が科学者による緊急の取り組み・福島第一原発事故にかかわる緊急活動とメッセージの2章で、事故の際に人々がどのように動いたか、どうすべきか。科学と社会のありかたの課題について、生の声を記している。
感想=チェルノブイリ・スリーマイルの事故の時は、ひどいことになったと感じたが、現地の様子を山向こうの火事と感じていた。今回は、福島は、東京近辺の住民にとっては、横断歩道を渡ったところ程度の近さと親しさである。私は今迄学んでこなかったことを反省後悔し、片っ端から知識を取り入れてきた。情報源は多種多様であり、量に不足はなかった。しかし、確実な情報となると困難を極めた。
簡単な言い方をすると、それは風評だ、風評被害を受けたと言ううち、どれかは風評どころか事実であり、どれかは風評であり、故意に事実を風評だと言い立てる場合も見つかるのだ。大量の情報は、不信の山でしかなかった。風にそよぐ葦になってはいけない。
本書は、汚染の拡散地図がカラーで示され、図版もわかりやすく、記述がスッキリとしている。つまり不要な形容詞がない。肝心なことを伝えることに徹しているので、頭に入りやすい。終章にいたり、各人の息づかいも聞こえて、親しみ深い最後となった。
「はじめに」にあるように、このような放射性物質による甚大な環境汚染は、経験したことのないもので、手探り状態だったのだ、そしてこの先に長い道のりがあることをいま、一番深刻にとらえている科学者たちがこの本を書いたのだ。浮き石ではない、信頼できるものに出会えた気がしている。
編者=中島映至(なかじまてるゆき)東京大学大気海洋研究所教授・地球表層圏変動研究センター長
大原利真(おおはらとしまさ)国立環境研究所福島支部準備室研究総括・企画部フェロー
植松光夫(うえまつみつお) 東京大学大気海洋研究所教授・国際連携研究センター長
恩田裕一(おんだゆういち) 筑波大学生命環境系教授・アイソトープ環境動態研究センター 副センター長
執筆者 編者を含めて42名
ほかに用語集・参考文献・索引・執筆者一覧がつく。横書き。
内容=3部構成、全体で11章。1部では、基礎知識と福島原発事故の際の放射性物質の放出量の推定・大気への拡散・全地球への輸送・海洋への拡散・陸域への拡散と沈着について、160頁を費やして記録解説。2部は、防災インフラの整備と課題として、モニタリングシステムの整備・放射性物質の拡散モデリング・除染の3項目を論じている。3部が科学者による緊急の取り組み・福島第一原発事故にかかわる緊急活動とメッセージの2章で、事故の際に人々がどのように動いたか、どうすべきか。科学と社会のありかたの課題について、生の声を記している。
感想=チェルノブイリ・スリーマイルの事故の時は、ひどいことになったと感じたが、現地の様子を山向こうの火事と感じていた。今回は、福島は、東京近辺の住民にとっては、横断歩道を渡ったところ程度の近さと親しさである。私は今迄学んでこなかったことを反省後悔し、片っ端から知識を取り入れてきた。情報源は多種多様であり、量に不足はなかった。しかし、確実な情報となると困難を極めた。
簡単な言い方をすると、それは風評だ、風評被害を受けたと言ううち、どれかは風評どころか事実であり、どれかは風評であり、故意に事実を風評だと言い立てる場合も見つかるのだ。大量の情報は、不信の山でしかなかった。風にそよぐ葦になってはいけない。
本書は、汚染の拡散地図がカラーで示され、図版もわかりやすく、記述がスッキリとしている。つまり不要な形容詞がない。肝心なことを伝えることに徹しているので、頭に入りやすい。終章にいたり、各人の息づかいも聞こえて、親しみ深い最後となった。
「はじめに」にあるように、このような放射性物質による甚大な環境汚染は、経験したことのないもので、手探り状態だったのだ、そしてこの先に長い道のりがあることをいま、一番深刻にとらえている科学者たちがこの本を書いたのだ。浮き石ではない、信頼できるものに出会えた気がしている。