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共に生きるということ

共に生きるということ』副題=be humane 著者=緒方貞子(おがた さだこ)発行=PHP発行所 2013年 125頁 20cm ¥1200 ISBN978456972140
著者=1927年東京生まれ 聖心女子大学文学部卒業後、ジョージタウン大学で国際関係論修士号を、カリフォルニア大学バークレー校で政治学博士号取得。国連公使。難民高等弁務官として難民支援活動に取り組んだ。国際協力機構理事長を経て同特別顧問。
内容=人道支援・復興支援の現場の経験から、平和を築く共存の哲学、国際社会での日本の役割などを語ったもの。NHKBSで、2011年1月放映の「100年インタビュー・国際協力機構(JICA)理事長・緒方貞子」をもとに構成、1時間放映分を書籍としたもの。各頁12行、文字も14Pと大きい。
感想=be humaneとは、「人間らしさに徹底せよ」だとカバー裏にある。インタビューの聞き手はNHKの三宅民雄アナウンサーで、彼の問いが、各セクションの冒頭にある。これに答える形で緒方貞子さんの考えが述べられる。歴史に学び、他者に学び、常に先のことを考える。という冒頭1頁をつかったメッセージが、基本姿勢であり、最終頁の百年後のみなさんへ、という「先」への思いは、本書から飛翔して未来へつながる。
感想=外交官の父に連れられて幼少より外国に接し、当時は希少であっただろう留学を二度にわたり経験した。豊かな国際性を身につけ、さらに成長を続けた聡明な女性が見える。視野が常に広く大きい。俯瞰する視野で地球全体の人々の暮らし、抽象的ではない、現地の実際の人のいとなみに直接接し、心を傾けてきていることが、この小さな本から大きく広がり見えてくる。三宅アナウンサーの問いは、ごく一般の人を代表する内容を選んでおり、緒方さんは、その問いをきっかけとして、明確な自分自身の考えを披露している。読者が受け取り、吟味するべき内容は、やさしい話し言葉で渡される。たとえば、「援助により、貧しくどうしようもない状況を何とかする、というのはチャリティなんですよね。チャリティだけでは国は伸びない」という。「国際貢献なんてね、そこに国際があって、私が何かあげますというのではなくて、自分が中に入っているんですよ、国際の中に。だから国際の中で暮らしているという現実から来る、責任分担じゃないんですか」。
根本の考え方が清々しい。自分を偉く見せようとするような上から目線は微塵もなく、しかし、地球全体を俯瞰し、吟味し、よい方向を指し示す大きな目を持っている。ある組織の長になることを目的として頑張り、なったら終着駅に着いたと大喜びをして私利私欲に埋没するような多くの「長」たちに読んで貰いたいと思った。
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