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先住民アイヌはどんな歴史を歩んできたか

先住民アイヌはどんな歴史を歩んできたか』著者=坂田美奈子(さかた みなこ)発行=清水書院2018年 サイズ=21cm 100頁 ¥1000 ISBN9784389500887
著者=1969年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程学位取得終了。苫小牧駒澤大学教授。専攻はエスノヒストリー 先住民史 北海道史。
内容=「歴史総合パートナーズ」no.5 横書きの100ページ。
皆さんはアイヌという名を持つ人々が日本に暮らしていることをご存知でしょうか。という出だしで、優しく話しかけるように始まる、いま、学校で学びつつある若い人たち向けに書かれた「アイヌが歩んできた歴史」。
はるか昔から書き起こし、明治政府の時代に至るまで、静かに整然と記されている。です、ます体の、穏やかな語りは、読む者の気持ちに染み入りやすく温かい。
いままでアイヌに対して好意と関心を寄せ、抱いてきた気持ちが、この本により、偏りなく整えられただけでなく、一歩前進し、大きな歴史の中に置いて考えることができるようになったと思う、遅いけど。
私のアイヌとの出会いは、アメリカ先住民を迂回した回りくどいものだった。白人は、なんとひどい行いをしてきたことだろう、挙げ句の果てにリザーベーションエリアに押し込めるとは! と憤慨し、ふと日本を振り向いたとき、そこにアイヌの人がいたのだった。
いろいろな縁が重なり、札幌生まれのアイヌ犬、千早とともに暮らすようになり、静内のアイヌの家族とも知り合いになって仲良くしてもらった。
あれこれと読み漁り、松前藩の行状に腹を立て、シャクシャインについて読み、銅像を見上げ、坂上田村麻呂と蝦夷について調べて悲痛な思いに打ちのめされ、極めて激しく感情的になった。私は日本人たちが許せないのだった。
しかし私は、人が人に対してした個別の仕打ちだけを追い、怒っていたのだった。本書は、シャクシャインについて一言も書いていない。松前藩が、どれほどアイヌに対して悪辣で、ずるいことをしてきたかも、具体的にな何一つ書いていない。
しかし。この本には、私が全く目を向けなかった明治政府について、記されているのだ。
(2)アイヌ・モシリはどこへ‥‥明治政府の政策 
この章は48ページから始まる中心部分だ、国の政策というものが、どれほど恐ろしい影響を及ぼすかを目の当たりにして愕然とした。
そうだった、リザーベーションエリアを発案し、作ったのはアメリカの政府だったのだし、アメリカ、ファースト! と叫ぶ大統領だって、政治の力で決めてかかろうとしている張本人だ。なぜトランプさんは、アメリカのファーストが誰だったのかに思いを致さないのだろう? 
これからのアイヌと内地の大勢の人々が、どうすれば良いか、著者と共に考えることができる本。まずは、この本から入って欲しいとつくづく思った。繰り返す、末端の、表層の部分に入る前に、この100ページを開いて欲しい。
今まで、このように整然と、感情を抜きにして、ありのままを記してくれた書物があったろうか。このように描かれている全体を見渡せば、個人が個人に対して行った差別態度への怒りどころではない、国が政策として推し広めた規制の影響の強さ、広さ、長さは計り知れないものだと身にしみる。
ということはつまり、今現在の私たちは、世界中の政治の流れを見張っていなければならず、現内閣の動静を厳しく監視し続ける必要があるということだ。
「歴史総合パートナーズ」に注目しましょう。
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