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出版の魂

出版の魂』副題=新潮社をつくった男・佐藤義亮 著者=高橋秀晴 発行=牧野出版2010年 サイズ=20cm 237頁¥1900 ISBN9784895001298
著者=たかはし ひではる 1957年秋田市生まれ 早稲田大学卒業 上越教育大学大学院修了。現在秋田県立大学教授。著書に『七つの心象/近代作家とふるさと秋田』(秋田魁新報社)など多数。
装丁・題字=緒方修一「装丁家・緒方修一のオフィシャルサイト」があるので、お訪ねいただきたい。人物紹介は、このサイトに出ているプロフィールを丸写しした。
装丁家。アートディレクター。OLDNEWS Co.代表。1963年福岡県柳川市生まれ。新潮社装丁室を経て独立。これまで沢木耕太郎、宮部みゆき、宮本輝の書籍、小学校の国語の教科書(光村図書)、「百年文庫」(ポプラ社)、「エクスリブリス」(白水社)、「ロアルド・ダール」(評論社)などのシリーズ作品、月刊誌「小説すばる」(集英社)、「本」(講談社)などを手がける。その他、映画「カンゾー先生」のタイトル文字、雑誌「coyote」のロゴデザインなどがある。1994年ドイツの「世界で最も美しい本コンクール」で銅賞受賞。文星芸術大学非常勤講師、造本装丁コンクール審査員。
以上で人物紹介終わり。本書のタイトルの文字に惹かれたので調べたのだが、新潮社に縁のある方であった。
内容=本書は「秋田魁新報」学芸欄連載「出版報国男子の本懐/「新潮」創業の佐藤義亮」(2008年1月〜2009年3月)に加筆・修正したものである。と巻末に記されている。著者略歴も本書の奥付による。
巻末に人名索引・事項索引・佐藤義亮略年譜と主要参考文献あり。
副題にある通り、出版社・新潮社の創業者、佐藤義亮(さとう ぎりょう)の生い立ちから終焉までを辿った書である。佐藤義亮という人・「新声」発行・出版へ・新潮社の出発・展開と結実の五章編成。
本書は牧野出版から出版している。牧野出版社社長の佐久間憲一氏は1957年生まれ、1982年新潮社に入社、「フォーカス」編集担当、「新潮OH!文庫」編集長などを経て、ポプラ社で一般書の編集、Webマガジン「ポプラビーチ」編集を経て牧野出版代表取締役。
この方も装丁の緒方修一氏も新潮社に縁があり、著者は佐藤義亮と同郷の秋田生まれという縁がある。
あとがきの最後の三行を紹介します。
 執筆に当たっては、新潮社、新潮社記念文学館、秋田魁新報社、秋田県立大学図書館から、支援と協力を頂いた。そして、牧野出版の佐久間憲一社長の情熱的な勧めと上野裕子編集長の的確な助言なしには本書は成らなかった。深謝申し上げる。 紹介以上。
秋田の荒物屋の四男として生まれた男の子が、やがて東京に出てきて本の一本道を辿り進むのである。雪の国秋田。小学四年生までで十分だ、それ以上学校へ行くと生意気になると言われた時代であり、土地柄だった。この一歩から記す佐藤義亮の一生を、著者は、誠実に根気よく辿りつつ、本人の言った言葉、書いた文章をふんだんに挿入して伝えてゆく。それゆえに佐藤義亮の、まさに謦咳に接する思いの生まれる書物である。
この少年は、家業が嫌で、遠い都会に出て行ったのではなかった。荒物屋さんを経営して暮らした父、為吉は書を読むことを好んだ人だった。だから、この子の資質を見て漢籍、かな遣いなどの習得へ導いた。土台には、この父がいるのであった。この根本の部分を踏まえて進めて行く新潮社誕生、発展の姿は、どのページを開いても心打たれるものが溢れている。得てして伝記といえども著者が前面に進み出て云々するものだが、ここに著者の姿は見えない。それでいながら、なんとも暖かく親しく、敬愛に満ち満ちた空気が書物全体から香り立つのである。なんだろうこれは、と装丁家を調べ、出版社を調べた次第。
新潮文庫を立ち上げた、その第一冊目が川端康成の『
雪国』だったという。雪の国の書である、どこもかしこも、心がこもっている。著者の高橋秀晴氏のあとがきで「深謝申し上げる」と、結んでいる。私は、これが好きだ。よくあるではありませんか、お礼を申し上げたいっていう言い方。言いたい、っていうの? 今言ってるわけじゃないのよね? いつ言うのよ。となるのだけど。
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