動物の解放
20-10-11-21:30-
『動物の解放』(ANIMAL LIBERATION) 改訂版 ピーター・シンガー (PETER SINGER) 著 戸田清 訳 人文書院 2011年発行 ISBN 978-4-409030783 ¥4400 210mm X 148mm 402頁
これは改訂版で、初版本は『技術と人間』1988年。巻末に文献5頁。
著者は、1946年オーストラリア生まれ。哲学者、倫理学者。本書は、彼の著作の中でもっとも大きな影響を与え続けている本で、動物の持つ権利について主張している。「ザ・ニューヨーカー」誌は、彼を最も影響力のある現代の哲学者と呼び、「タイム」誌は、彼を世界の最も影響力のある100人の一人に選んでいる。
内容は、ヒトが、ヒト以外の動物を、どのように扱うべきか、という問題について考えを進めている。人間が、人間の利益のために動物が本来彼ら自身のものとして所有するのが当然である利益と権利を奪う態度を「種差別」とみて非難している。とくに動物の扱いの中でも、動物実験の実態、工場畜産の現状、絶え間ない大量殺戮のありさまなどを読むと、今、この瞬間に立ち止まり、根本的に考え方を見直すべきだという、深刻な思いに駆られる。彼自身は30年間に渡りベジタリアンだという。
外国の事情は知らないが、日本の法律では、動物を「もの」として扱っている。だから交通事故に遭っても「物損」でしかないし、マイクロチップの会社も、命ある者に対する心情は、まったく見られない。これでよいのか、よいわけがない。「種差別」について、一人でも多くの人が考えてもらいたいと願う。
これは改訂版で、初版本は『技術と人間』1988年。巻末に文献5頁。
著者は、1946年オーストラリア生まれ。哲学者、倫理学者。本書は、彼の著作の中でもっとも大きな影響を与え続けている本で、動物の持つ権利について主張している。「ザ・ニューヨーカー」誌は、彼を最も影響力のある現代の哲学者と呼び、「タイム」誌は、彼を世界の最も影響力のある100人の一人に選んでいる。
内容は、ヒトが、ヒト以外の動物を、どのように扱うべきか、という問題について考えを進めている。人間が、人間の利益のために動物が本来彼ら自身のものとして所有するのが当然である利益と権利を奪う態度を「種差別」とみて非難している。とくに動物の扱いの中でも、動物実験の実態、工場畜産の現状、絶え間ない大量殺戮のありさまなどを読むと、今、この瞬間に立ち止まり、根本的に考え方を見直すべきだという、深刻な思いに駆られる。彼自身は30年間に渡りベジタリアンだという。
外国の事情は知らないが、日本の法律では、動物を「もの」として扱っている。だから交通事故に遭っても「物損」でしかないし、マイクロチップの会社も、命ある者に対する心情は、まったく見られない。これでよいのか、よいわけがない。「種差別」について、一人でも多くの人が考えてもらいたいと願う。