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これが人間か

『これが人間か』副題=アウシュヴィッツは終わらない SE QUESTO E UN UOMO 著者=プリーモ・レーヴィprimo Levi 訳=竹山博英(たけやま ひろひで) 発行=朝日新聞出版2017年 125X185mm 314頁 ¥1500 ISBN9784022630650
著者=1919年イタリア・トリーノ生まれ イタリア系ユダヤ人 化学を学ぶ。1944年2月アウシュヴィッツ強制収容所に送られてゴム研究所で働く。1945年1月末 ソ連軍により解放された。イタリアから650人がアウシュヴィッツに送られ、生還できたのは23人だったと言われる。帰国後塗料会社で働く。1987年自宅のあった集合住宅の4階から飛び降り死亡。
訳者=1948年東京生まれ 東京外国語大学大学院ロマンス系言語専攻 現在立命館大学名誉教授 若い頃にイタリアでレーヴィ氏の元へ繁く通い、その謦咳に接したという。
内容=1980年に朝日新聞社から刊行された『アウシュヴィッツは終わらない』の改訂完全版。原書は1947年にデ・シルヴァ社から刊行されたが、読者を得ることなく忘れられていた。強制収容所から自宅に帰着直後から、本書の執筆にとりかかったという。
巻頭にドイツ周辺の地図があり、ナチ統治下の主要強制収容所及び抹殺収容所、付属収容所、労働収容所の位置が示されている。一編の詩から始まる本文は、捕まえられて運ばれてゆくところから、飢えと渇き、寒さ、不潔さ、病気、そして死にゆく人々の日々が刻まれる。巻末に年表と竹山博英の解説。
本書は現在34ヶ国語に翻訳され、ル・モンドの「20世紀の100冊」、デイリー・テレグラフの「110冊の必読書」などに本書の名がある。レーヴィが世に知られるようになり、本書が読まれ始めたのは、彼の死後のことだった。
感想=刻み込むように記される収容所の様相。同時に彼が見つめるのは、追い込まれて変化してゆく囚われた人々の心の姿だ、自分自身の気持ちと行動の変化も含めて描かれる。その強靭な精神力には圧倒される。
ここには大げさな形容詞も感情の吐露もない。それゆえに読む側に食い込んでくる、これが人間のすることか、の思いである。人間が人間に、実際にしたことが文字として刻み込まれている。
ドイツ周辺の地図がある。黒丸が主要強制収容所・抹殺収容所、灰色丸が付属収容所と労働収容所だ。地図は、ほとんど黒と灰色の丸印で覆われている、その数を思い息を飲んだ。
生きながらえて収容所を出た人たちの中で、何人もの人が自殺している、と訳者が書いている。巻末の訳者、竹山博英氏の解説は、必見の部分である。
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