文房 夢類
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文房 夢類

『流れの法則』を科学する 

『流れの法則』を科学する  副題 数式なしで見える流体力学 シリーズ 知りたい! サイエンス 伊藤慎一郎(いとう・しんいちろう)著 白鳥  敬(しらとり たかし)著
              技術評論社2009年発行 1580円     ISBN 978-4-7741-3927-2
 著者=伊藤慎一郎=1956年生まれ。 生物流体力学、スポーツ流体力学専門。 工学院大学工学部機械工学科教授。
 著者=白鳥 敬=1953年生まれ 近代文学専攻・科学技術分野を対象として執筆。航空級無線通信士。
 空を飛ぶ鳥、ミジンコといった生物の世界から、スポーツ、バーベキューの煙の流れまで、世界は流体力学で溢れている。
 身近な流体力学現象を、数式を使わずに紐解く。 読みやすい、わかりやすい。
 その理由は、著者が二人存在する故だろう。
 著者その一は本書の内容を受けもつ伊藤慎一郎。 著者その二はサイエンスライターの白鳥  敬。
 お箸は一本では食べられない、二本あってはじめて食事ができる。流体力学のようなややこしい分野、しかし生活にぴたり張りついている不思議なものを伝えてもらうには、サイエンスライターと呼ばれるプロの手が必要だ、と痛感した。
 これこそ、二人の著者あってはじめて素人の胃の腑に収まる美味なる一皿となった見本だと思う。
 たとえば、バーベキューの煙が、なぜか自分の方に流れてくる。だれしも気のせいだろうと我慢していただろう。しかし事実だった。そのわけが、実は流体力学によって解明される、と書いてある。
 なんで重い飛行機が浮くのか。アゲハチョウの羽根のシッポが、どういう役目をしているのか。あの余計な飾りにしか見えない形に、ちゃんとした存在理由があった。ゴルフボールの凸凹の理由。競泳水着と流体力学。などなど、どの項目も目が離せない。
 女子フィギュアスケートのコスチュームにも流体力学的配慮が必要なんじゃないか。フリル山盛りの首まわりや、胸元に溢れる立体的な飾りは視覚的にも重く、空気抵抗ありだなあ、という印象を持ちながら見るので、マイナスであってもプラスには働かない、などと尻馬に乗って考えた。

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