中国の核実験
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『中国の核実験』高田 純の放射線防護学入門シリーズ 副題 シルクロードで発生した地表核爆発災害 高田 純 著 医療科学社 2008年7月 発行 ISBN 978-4-86003-390-3 C3047 ¥1200E
著者は、札幌医学大学教授 理学博士 医学部物理学教室 大学院医学研究科 放射線防護学 本書は、56ページの小冊子のような小粒の本。
中国は、第三者調査に対して現地を公開せず、公式に実験事実、周辺影響を開示していない。このために調査は困難を極めるのだが、著者は、隣接するカザフスタン調査の時のデータをもとに、この調査結果を発表した。私は、何年か前にケイと旅をしたタクラマカン砂漠周辺で、現地ガイドさんが、いとも簡単に、ここでは飲んでもいけない、食べてもいけない、と説明するのを、上の空で、というか、他人事のように聞き流した。が、本書を読むと、あれが何を意味していたか、が歴然として愕然とした。
日本人観光客に人気のある「さまよえる湖」ロプノール。シルクロードのハイライトスポット。ここが核実験の場所だ。読み進むうちに血の気が引いて行く。
英国では、1998年にドキュメンタリー「Death on the Silk Road」を制作、欧州諸国をはじめ83カ国で放送、ローリー・ペック賞受賞。が、日本ではみることがなかった。これは、シルクロードで中国が行った核実験による悲惨な死がテーマである。
中国は、シルクロードでメガトン級の地表核爆発を3回行ったのだ。この実験によるウイグルの急性死亡者は19万人以上、日本への影響の程度、範囲も、本書に発表されている。本書には、ただの一行、一言も感情的な言葉は使われていない。あくまでも、調査の結果報告である。しかし、私は、致死レベルA区域でのシミュレーションに書かれている「急性死亡した羊飼い」が、ゼロ地点から40キロ風下で遭難、10分で意識不明、1時間で中枢神経死、の有様を読み悶絶した。どうして勉強を怠っていたのだろう、後悔している。
著者は、札幌医学大学教授 理学博士 医学部物理学教室 大学院医学研究科 放射線防護学 本書は、56ページの小冊子のような小粒の本。
中国は、第三者調査に対して現地を公開せず、公式に実験事実、周辺影響を開示していない。このために調査は困難を極めるのだが、著者は、隣接するカザフスタン調査の時のデータをもとに、この調査結果を発表した。私は、何年か前にケイと旅をしたタクラマカン砂漠周辺で、現地ガイドさんが、いとも簡単に、ここでは飲んでもいけない、食べてもいけない、と説明するのを、上の空で、というか、他人事のように聞き流した。が、本書を読むと、あれが何を意味していたか、が歴然として愕然とした。
日本人観光客に人気のある「さまよえる湖」ロプノール。シルクロードのハイライトスポット。ここが核実験の場所だ。読み進むうちに血の気が引いて行く。
英国では、1998年にドキュメンタリー「Death on the Silk Road」を制作、欧州諸国をはじめ83カ国で放送、ローリー・ペック賞受賞。が、日本ではみることがなかった。これは、シルクロードで中国が行った核実験による悲惨な死がテーマである。
中国は、シルクロードでメガトン級の地表核爆発を3回行ったのだ。この実験によるウイグルの急性死亡者は19万人以上、日本への影響の程度、範囲も、本書に発表されている。本書には、ただの一行、一言も感情的な言葉は使われていない。あくまでも、調査の結果報告である。しかし、私は、致死レベルA区域でのシミュレーションに書かれている「急性死亡した羊飼い」が、ゼロ地点から40キロ風下で遭難、10分で意識不明、1時間で中枢神経死、の有様を読み悶絶した。どうして勉強を怠っていたのだろう、後悔している。