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冷血

『冷血』(IN COLD BLOOD)著者 トルーマン・カポーティ(TRUMAN CAPOTE)訳 佐々田雅子 新潮社2005年発行 ISBN4-10-501406-4 ¥2600 190mmX132mm P 346
著者=1924~84 ニューオリンズ生まれ ほかに『ティファニーで朝食を』など
訳=カポーティ発表当初の和訳は、瀧口直太郎。これは新訳であるが、当時の差別語はそのままにしている。読みやすい。
内容=1959年にカンザスの農村で起きた一家惨殺事件を5年にわたり綿密に取材。実際に起きた事件であり、この作品からノンフィクションノベルの分野が始まったと言われる。
感想=被害者一家周辺の人々も取材したと言われる。私は、この普通の人々の描写に、強く惹かれた。頭で作っているのではない、写生をしている、という感触が強く伝わってきた。創作の一歩は、やはりここから始まる、と痛感した。だれが冷血か、犯人だけが冷血か? という著者の思いが、かすかに流れるが、高村薫さんの作品の方が、この部分は明確だし、強い。これは力量の問題ではなく、本物の犯人と何年にもわたり接触というか付き合って執筆したカポーティが、百も承知でいながら、相手に取り込まれそうになったり、さまざまな煩悶のるつぼの中で書ききった、この苦労苦悩が忍ばれるというものである。
ひとつ、これはぜひ、知らせたいことですが、内表紙の献辞で、ジャック・ダンフィーとハーパー・リーへ 愛と感謝を込めて とあります。
このハーパー・リーは、『アラバマ物語』の著者であり、カポーティの幼なじみ。アラバマ物語に登場するディルは、ちっちゃな、ひねこびた少年。この少年のモデルがカポーティだと言われていて、リーは、『冷血』の取材にも同行して協力しています。
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