文房 夢類
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文房 夢類

青い光に魅せられて

青い光に魅せられて』副題=青色LED開発物語 著者=赤崎勇 発行=日本経済新聞出版社2013.3 128mmX187mm¥1700 241頁ISBN9784532168513
著者=赤崎勇(あかざきいさむ)1929年鹿児島生まれ。京都大学理学部卒・名城大学教授・名古屋大学特別名誉教授・工学博士・IEEE Edision Medal 等受賞・文化勲章受章 本書はノーベル賞受賞前の出版。

内容=青色LEDの基礎技術を確立させた不屈の研究者。学生時代の生い立ちから戦後の劣悪な環境にもめげずに、一筋に目指す難題に取り組み、世界中の研究者が諦めて見捨てた研究を続けて、夢を実現させていった足取りを語る。
感想=光る半導体をやります。まだやってるの? と言われても動じない。本書を書くに当たって筆者が一番に考えていたことは、一般読者に多少なりとも半導体について、LEDについて分かって貰おうということなのだ、と読みながら感じた。この気持ちが伝わってくるゆえに、分からない私も熱心に図を見つめ、理解しようとしながら読んだ。終章にいたって、60歳過ぎて賞を貰うようになった、自分は賞に関係ない人間だと思っていた、と書いている。ノーベル賞受賞では、ビックリされたことだろう。私生活には全く触れていない。大病をされたようだが、高熱でうなされているときにも天井に論文が見えたという。しかし、その大病の病名はない。わざと書かなかったのか、書き忘れたのだろうか。たぶん、青い光に比べれば、取るに足らぬ事だったのだろう。青い光を求める孤独な旅姿を、我ひとり荒野を行く、と書いている。私は芭蕉を思い出した。この道や行く人なしに秋の暮。

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