文房 夢類
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もっと知りたいPM2.5の科学

もっと知りたいPM2.5の科学』著者=畠山史郎・野口 恒 発行=日刊工業新聞社 2016年 横書き 158頁 サイズ=210 X148mm ISBN9784526075094¥1800
著者=畠山史郎(はたけやま しろう)1951年東京都出身 東京大学理学部卒同大学院理学系研究科化学専門 国立公害研究所を経て東京農工大学大学院教授。中国の研究者と協力し,中国国内の大気汚染物質の航空機観測を実施。ハーゲンシュミット賞授賞。
   野口恒(のぐちひさし)1945年愛知県出身 和歌山大学経済学部卒 法政大学大学院社会科学科中退 フリージャーナリスト
内容=地球環境の実態把握と改善・保全を考えるなかの、PM2.5について語る。なぜ問題か。そもそもPM2.5とは何か。その物質は健康にどのように影響するか。どこから発生し、どんな微粒子か。なぜ遠くまで飛来するのか。その測定方法。拡散の防止方法。対策グッズの紹介。
感想=花粉症の季節が来ると、どこの山の杉花粉がくる、など報道される。どこどこ山は国内の山で、中国のアカシアの花粉が襲来することはない。ところが黄砂は海を渡ってくるのだ。どうして花粉は海を渡らず、黄砂は飛んでくるのだろう? 
といういいかげんな印象をもって暮らしているために読むことにした本。
花粉と違ってPM2.5は、単一の物質ではなかった。微小粒子で、有機炭素、硫酸塩、硝酸塩、金属などを主成分とする混合物質だという。猛烈微小だから飛ぶので、大きな粒の花粉は短距離しか飛べないのだった。中国大陸から黄砂も飛んでくるが、この黄砂にPM2.5など、さまざまな有害物質が付着して運ばれてきている。日本の火山灰も運び手として働き、国内に拡散している。これらの有害物質は、文明社会を維持する行為と抱き合わせで発生しているのだから、暮らしかたを根本的に洗い直す必要があると思う。対症療法だけでは限度があるだろう。
日本国内でもPM2.5が発生しているが、大気汚染防止法や環境規制など国内法で抑えている。しかし空には壁がない、どんどん飛んでくるということが分かった。畑山先生は、元を絶たなきゃ、と考えて中国国内の汚染物質の研究もされたのだと思った。立派なことだと尊敬する。
この本で、「そらまめ君」というサイトを知った。これは環境省大気汚染物質広域監視システムのサイト。日本列島の大気汚染状況を監視して常時報せている。そらをマメに監視します、と出ていた。天気情報と合わせて見る事にした。
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