文房 夢類
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文房 夢類

道路の日本史

道路の日本史』副題 古代駅路から高速道路へ 著者=武部健一(たけべ けんいち) 発行=中央公論社 中公新書2321 2015年 ¥860 P254 ISBN9784121023216
著者=1925年東京都生まれ 京都大学土木工学 建設省・日本道路公団。現在、道路文化研究所を主宰。工学博士。
内容=獣道しかなかった原始の日本だが、奈良時代には幅が12メートルある直道が建設された。高速道路時代の現在までの道路歴史を、数多のエピソードを盛り込んで語る。
感想=道路の流れに沿い、日本の歴史が語られるが、外国とも共通する要素もあり、視野は広い。どの国でも道は軍事から始まっているが、家康だけは軍事優先から利便性を重視したなど、関連情報も豊富だ。また外国の賓客来訪に合わせて道路を作ろうとする人の心も世界共通で、東京オリンピックに合わせて首都高建設をしたのも、偶然ではないなど、興味深いエピソードが沢山ある。著者は道一筋の道専門家で、しかも現場と密着して生きてこられたので信頼して読むことができる。実地を知る人の言葉は輪郭がはっきりしていて、しかも重みがある。
古代の道路と現在の高速道路が、そっくり同じルートを通っているのだと知ってビックリした。SAと駅まで似通っている。日本は大陸と異なり、山岳地帯は多く、火山はあり、地形は千差万別、この複雑な土地で、これだけのことを成し遂げてきているのだ。凄いことだ、と改めて感心してしまう。
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