文房 夢類
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文房 夢類

なんといったって猫

なんといったって猫』(PARTICULARLY CAT)著者=ドリス・レッシング DORIS LESSING 訳 深町真理子 発行=晶文社1980年 200頁 19cm ¥1000
著者=1919〜2013(94歳)イギリスの作家 小説・詩・ノンフィクション 2007年ノーベル文学賞受賞 受賞理由=女性の経験を描く叙事詩人であり、懐疑と激情、予見力を持って、対立する文明を吟味した。亡くなったのが今年の11月17日と知り、何作か読もうと思っている。
内容=一緒に暮らしている灰色猫と黒猫を中心とした猫エッセイ。
感想=アフリカの農場に住んでいた少女時代から猫と彼女の関わりが始まるアフリカの様々な動物たちが生活の中に入ってくる。ドリスが薪の山のすきまに大蛇がいる、と母に報せる。母が至近距離から銃で撃ち殺したが、それは猫の尻尾であった。この本は、こうした農場の風景から始まる。やがてイギリスに住むようになった彼女は、灰色猫と暮らすようになり、そこへクロネコが加わる。避妊の問題、猫が2つの子宮を持つと知った驚き。単なるかわいさとか、愛情だけで接している猫ではない。人間とともに生活し、子孫を残し、かつ協調して生きてゆくためには、人は何をすべきか,何を我慢すべきか。そして猫には、なにを耐えて貰わなければならないか。こうしたことを考えつつ,実行しつつ暮らす姿が描かれる。また、猫同士のつきあい、駆け引き、軋轢など、猫社会についての観察眼も鋭い。

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