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暮れなずむ女

暮れなずむ女』(THE SUMMER BEFORE THE DARK)著者=ドリス・レッシング DORIS LESSING 発行=水声社(三笠書房1975年版の新版)2007年 285頁 20cm ¥2500 ISBN9784891766672 
著者=1919〜2013(94歳)イギリスの作家 小説・詩・ノンフィクション 2007年ノーベル文学賞受賞 受賞理由=女性の経験を描く叙事詩人であり、懐疑と激情、予見力を持って、対立する文明を吟味した。
内容=小説 夫とのあいだに3人の息子と1人の娘がいる女性、ケイト・ブラウンが、ある夏、この家庭を離れて、ひとりで動き回り、家へ戻るまでを描いている。
感想=ノーベル賞受賞女性作家の作品を集中的に読もうとしている。ドリス・レッシングは、その第一番目に取り上げた作家。猫のエッセイに続いて『アフガニスタンの風』『夕映えの道』本作は、4作目になるが、小説は、『夕映えの道』に続く2作目である。
夏の休暇の季節が来た。夫は、仕事で家を空けるので、妻も伴い、空き家になる我が家を夏の間だけ貸家にしようと提案する。ケイトは、下の息子が家に残るから、自分も家にとどまり、息子やその友達や、その友達などのたまり場の世話をしたい、いわば家庭の基地に留まりたいと願うが、この有り様は、4人の子どもを育て上げてきた彼女の、主婦としての当然の生き方だった。しかもケイトは、夫に対して私は基地の世話役として夏を過ごしたい、とハッキリ表明することもできない、ぐずぐずしている。夫は家の借り主を見つけてしまう。すると末息子が突然、友達と遠いどこかで夏を過ごす、と宣言し、あっというまに出て行き、夫も出て行き、ケイトは独りになってしまう。部屋数も多い、生活に困らない、近所の同じような家々と仲良くし、同じような服を着て、同じような髪かたちをして暮らしてきたケイト。ケイトは、この家からも出なければならない夏となってしまう。
手に職はないが、たまたま多言語が使えるケイト、これは作者、レッシングに重なる部分だ、ケイトは通訳の仕事にありつく。はじめは小遣い程度の報酬だったが、おためし期間のあと、夫よりも高額の報酬を提示されて、自分自身の値段を見直す。が、ケイトはその価格に安住することはなく、若い、妙な男と”道行き”をする。青年期の娘息子のいる午後年齢ではあるが「男」は、ケイトにとって一大関心事なのだった。大期待を込めて連れだった男は、旅に出たとたん病気にかかり、別れるハメになる。感染していたケイトも発病、すったもんだである。その道中というか、夏の初めからずーっとだが、ケイトは新しい事柄に出会うと、手で触り、食べてみたり、臭いをかいだり、つまり身体で関わりながら、考えを進めてゆくのだ。最後にケイト・ブラウンが到達した境地というか結論は、いままでの”奥様風”ヘアスタイルをやめて、自分がこうしたい、と思う髪型に変えることだった。ケイトはヘアスタイルを変えた。そして家へ帰るのだった。
これだけ、あれこれやって最後はヘアスタイル・チェンジかよ、と呆れるが奥は深く、笑えない。いまの日本の女性たちにも、よく理解できる女性像だと思う。一見、バカバカしいが、なかなかコレはできないことだ、ここまで深く考えられない、考えることをしないで日々を流している、と分かる主人公ケイトの行動と考察である。ケイトの新しい髪型は、なんと”ひっつめ髪”である。これこそ、私の今のヘアスタイルである。どういうヘアスタイルかというと、全部ひとまとめにして、輪ゴムで後頭部で縛る形。そのまま垂らしておけばポニーテールだし、ぐるぐる巻きにしてまとめると、まあ、フィギュアスケーターがよくやっている形となる。これに大きな花飾りをつければ、ミャンマーのアウンサンスーチーさんだ。
先日、バスに乗ったら、後ろの席から河合さん、河合さんという。前にお世話になっていた美容師さんだった。なにやってんのよ、そのアタマ。という。ヘアカットして見場よくしなさいよ、という。うん、にゃ。と私は返事とも何ともつかない返事をした。千円札何枚。それだけあったら「夢類」に投入するわ、と内心は返事をしている。ドリス、バンザイ
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