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なぜ日本の政治はここまで堕落したのか

なぜ日本の政治はここまで堕落したのか』副題=松下政経塾の大罪 榊原英資著 朝日出版2012年発行 ISBN978-4-023310704 ¥1600 238頁 187mmX128mm
著者=1941年東京生まれ。東京大学経済学部卒 米ミシガン大学経済学博士号取得 大蔵省国際金融局長、財務官など歴任。青山大学教授。著書『ドル漂流』など。
内容=タイトルの通り。日本の政治家の質が低下している現状と、経済も行政も知らない素人を政治屋として量産している松下政経塾を分析、否定する。
感想=本を売るためのタイトル。松下政経塾云々について知りたい向きは数頁読めば十分で、それは最終章の最後にある。実生活で何一つ経験せずに、単に政治家になりたいという気持ちで政経塾で学び、演説と朝立ちだけが達者になったバカ、という見方である。では、ほとんどの頁は何か。私は、この部分が興味深く、また、非常に有益だった。なにが記されているか、というと、日本の政治世界の、明治から今日現在までの足取りが、仔細に、整然と語られているのだ。歴代の総理大臣が、そのとき何をしたか。総理のぶち上げたスローガンは、実は官僚の誰の知恵であったか、誰が書いたか、なども語られる。
池田勇人の「所得倍増論」田中角栄の「列島改造論」の縁の下にいた官僚について。日本の場合、法律を作っているのが、実は官僚であり、政治家はロビイストであるという現実の姿も書かれていて、アメリカの議員が、それぞれ100人を越すスタッフを抱えて働き、自分で法案を出し、通してゆく姿とは全く違う、ということも語られる。世界主要国の議員の労働時間と給料も表として出している。
TVにもよく出演して顔が売れている著者だが、TVでは顔だけしか印象に残らず、何を言っているんだが、という人だが、この、整理された客観的な記述は、教科書にしたいほど優れていると思う。選挙制度も、はじめて理解できた。読後の感想としては、さすがの官僚、理路整然、堂々、動かぬ事実を述べたあとで、自分自身の感情も含めた評価を終章にいたり含ませてゆく技巧は、まさに芸術的である。大臣ならずとも、このように耳元で諄々と説かれたとしたら、なんか自分自身が思いついたかのような気になって、相手の思惑に同調してしまう可能性がある、と感じた。総合誌で、元官僚の論文をいくつか読んだが、この手口はパターンだった。
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