バナナの歴史
04-03-17-10:43-
『バナナの歴史』(食の図書館シリーズ)著者=ローナ ピアッティ ファーネル Lorna Piattii-Farnell 訳=大山晶 原書房 2016年発行 ISBN9764562053275 サイズ=19cm ¥2376
著者=ニュージーランド、オークランド工科大学大衆文化研究所所長。執筆を依頼されて大喜びしたそうで、バナナのことなら知っている、と思い書き出したら、知らなかったことが続々と出てきたという。
内容=これは「食の図書館シリーズ」の中の一冊で、多くの果物や、コーヒーを始め、食材を取り上げている。本書バナナでは、歴史、伝説から始まり、バナナの種類、産地について、また料理のいろいろなどが集められている。
感想=カラー写真がたくさん出ている。歴史の章では、バナナプラントで起きた大虐殺事件も取り上げているが、その事実にとどまらず、ガルシア・マルケスの小説『百年の孤独』の中にも取り上げられていることも記されている。バナナの広告ポスター、おもちゃ、絵画。ルノワールが描いた「バナナ畑」の絵もカラーで出ている。キリコの描いたバナナも出ている。キリコが描いたらどんなバナナになるだろう、と思ったが、実に普通の写実的なバナナだった。どんなに絵が下手な人でも、バナナを描いてバナナに見えないことはない。その点だけでもバナナは賞賛されて良いのではないかしら。バナナの歌も出ていて、全ページにわたって楽しい。
ひとつ、書かれていない事柄があった。それは農薬についてのことで、最も知りたい部分だった。日本には芭蕉は育つが食用バナナは生産できない。すべて輸入である。バナナは船で運ばれて日本の港に着くが、到着した時は緑色の未熟なバナナである。市場に出す日を計算して熟成させる仕組みだ。船で運ばれてくる間に熟してしまわないように薬品で調節しながら運んでくるのである。これは温度調節だけでは不可能だという話を聞いている。さて、このことが事実であるのか、事実とすれば、薬品名は何か。この薬品がバナナに残留しているということも聞いているが、バナナの、どの部分に、どれほど残留しているのか、確実なことを知りたかったのだが、全く言及されていなかった。著者は文化面にだけ目を向けているのだろうか。
著者=ニュージーランド、オークランド工科大学大衆文化研究所所長。執筆を依頼されて大喜びしたそうで、バナナのことなら知っている、と思い書き出したら、知らなかったことが続々と出てきたという。
内容=これは「食の図書館シリーズ」の中の一冊で、多くの果物や、コーヒーを始め、食材を取り上げている。本書バナナでは、歴史、伝説から始まり、バナナの種類、産地について、また料理のいろいろなどが集められている。
感想=カラー写真がたくさん出ている。歴史の章では、バナナプラントで起きた大虐殺事件も取り上げているが、その事実にとどまらず、ガルシア・マルケスの小説『百年の孤独』の中にも取り上げられていることも記されている。バナナの広告ポスター、おもちゃ、絵画。ルノワールが描いた「バナナ畑」の絵もカラーで出ている。キリコの描いたバナナも出ている。キリコが描いたらどんなバナナになるだろう、と思ったが、実に普通の写実的なバナナだった。どんなに絵が下手な人でも、バナナを描いてバナナに見えないことはない。その点だけでもバナナは賞賛されて良いのではないかしら。バナナの歌も出ていて、全ページにわたって楽しい。
ひとつ、書かれていない事柄があった。それは農薬についてのことで、最も知りたい部分だった。日本には芭蕉は育つが食用バナナは生産できない。すべて輸入である。バナナは船で運ばれて日本の港に着くが、到着した時は緑色の未熟なバナナである。市場に出す日を計算して熟成させる仕組みだ。船で運ばれてくる間に熟してしまわないように薬品で調節しながら運んでくるのである。これは温度調節だけでは不可能だという話を聞いている。さて、このことが事実であるのか、事実とすれば、薬品名は何か。この薬品がバナナに残留しているということも聞いているが、バナナの、どの部分に、どれほど残留しているのか、確実なことを知りたかったのだが、全く言及されていなかった。著者は文化面にだけ目を向けているのだろうか。