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自由と規律

自由と規律』副題=イギリスの学校生活 著者=池田 潔(いけだ きよし)発行=岩波書店1949年11月第1刷 岩波新書(青版)171頁2018年2月 第109刷発行¥720 ISBN978400412141
著者=1903-1990 リース・スクール卒業 ケムブリッヂ大学卒業 ハイデルベルク大学に在籍した。英文学・英語学。著書=『よき時代のよき大学』『歩道のない道』『第三の随筆』『砂にかかれた文字』『少数派より』『学生を思う』以上6書は、現在ほとんど市場に出ない。ISBNなし。
これはイギリスの学校生活を記述した本には違いない。
日本から一人の少年が船でイギリスへ、そして入学して過ごした昔の日々が語られるのである。
イギリスを知る人も訪れたことのない人も、その詳しい朝夕の学校生活とイギリス人の気風を知ることになる。
その粗食ぶりとスポーツを常に、全員が行う、しかも団体競技が重んじられる。
最後までゆっくりと、時には繰り返しながら読み終わった時に、本書の核心部分が目の前に大きく開かれる。
それは、自由とはどういうものであるか。自由を持つということの意味。あわせて規律がどれほど大切なものかが、見事に見えてくるのである。
読み終わり、本を閉じた時に、この本の題名、自由と規律に、深く納得する。
名著として名高い所以が、ここにある。
自由自由と軽く言うが、自由を手にすることの意味を、改めて考えることができる。
手元に置きたいと買ったが、第109刷。これだけ読む人がいるということから、日本の将来を信じて良いのではという思いがした。
内容の一部分を紹介する。
前慶応義塾長小泉信三博士は、昭和23年8月15日東京毎日新聞掲載の論文「自由と訓練」の中で、イギリスのパブリック・スクールのこのような生活について次の見解を述べていられる。
「生徒は多く裕福な家の子弟であるから右のような欠乏が経済的必要から来たものでないことは明かである。食物量の制限は思春期の少年の飽食を不可とする考慮に出たといふ説もきいたことがある。何れにしても何事も少年等のほしいままにはさせぬことは、自由を尊ぶイギリスの学校としてわれわれの意外とすべきもの多い。しかし、ここに長い年月の経験と考慮とが費やされてゐることを思はねばなるまい」
「かく厳格なる教育が、それによって期するところは何であるか。それは正邪の観念を明にし、正を正とし邪を邪としてはばからぬ道徳的勇気を養ひ、各人がかかる勇気を持つところにそこに始めて真の自由の保障がある所以を教えることに在ると思ふ。」P88
もう一つの紹介は、オリンピックについて。
オリムピック競技に対してさえ、一般人はわが国の半分の熱意ももっていないし、新聞でも、せいぜい二段くらいのスペースしか割いていない。嘗てわが国民の一部に示された、不均衡に冷静を逸したオリムピック熱も反省されてよいのではないか。現地では選手と在留同胞が勝っては泣き負けては泣き、故国ではラジオとニュース映画でアナウンサー吠え聴衆喚き、国家の存亡をその勝敗に賭したかのような醜態を演じた事実は、結局、わが国民のもつ劣等意識によるものであり、事物の重要性を正当に識別する力を欠いていることを示すに外ならない。P146
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