文房 夢類
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水道水

この冬は室内の水槽が空っぽだ。長年の付き合いだった老コリが死んでしまったあと、新しく魚を迎え入れる気持ちが生まれずにいる。いままでストーブの上にヤカンをのせていて、冬の朝はコリドラスに注いでいたのが、老コリがいないので管理を怠り、空だきをしてしまった。老コリは省エネに協力してきた魚で、電熱を使わず、ヤカンの湯で暮らしていたのである。今朝、ヤカンが軽かったので、蓋を取ったら乾いていたのだ。
水を入れようとしたらヤカンの底が真っ白で、ザラザラしている。ちょっと擦ったくらいではとれない。凹凸のある灰色の固形物が硬く付着していて、厚みがある。クレンザーをこすりつけて洗ったが、一部分だけで今日は終わりにした。息切れしてしまった。
ヤカン一杯の水が蒸発しただけなのに、これだけの物質が残った。いったい、この固形物はなんでしょうか。表層水だから、蛇口に来るまでに長旅をしてきているはずだが、添加物もあるのかしら。この水を飲んでいたら、炊事に使っていたら、体内を巡るわけです。途中で付着しないかしら。それとも吸収しているのかしら。私の脳みそは、ここでストップしてしまった。
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