文房 夢類
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真夏の午睡

富士猫のおかげで今夏はエアコンをほとんど使っていない。富士は網戸越しに外の匂いをとり、飛ぶ鳥を目で追いかけ、外猫マルオの動向を見守る。網戸を通して南北、東西、東南と、風が部屋を抜けて行く。東の窓から桔梗の青色とパセリの緑色の風が入る。北の窓から入るフウセンカズラと千成ホオズキの緑の風が南の庭へ出て行く。
忘れていた高校生の頃の夏休みを思い出した。今日のように寝転んで本を読んでいたのだ。そして庭にはメダカがいた。住むところは変わり年も経たのに、身の回りに引き寄せているものは変わらない。
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