文房 夢類
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心の歪み

少女が当然姿を消して5日間。前々から不安材料があり、それ故にGPS機能のついたケイタイを持たせ、不審者の乗る車のナンバーを覚えようとしたりしていた母親の苦痛は計り知れない。発見されて無事に家族の元へ戻れた少女のニュースは、最近の暗いニュースの多い中で、人々の心を温め、ホッとさせた。よかった、と誰もが胸をなで下ろした。胸をなで下ろす人々は、素直なまっすぐな心根だ。脅して掠い、防音室に改造した部屋に閉じ込めた犯人は、とことん歪んでいる。どうして、このような歪みを持つ人間が発生するのだろう。少女は勿論、家族にも落ち度はあるはずもない。
いまはどのような規則になっているのか知らないが、昔、子どもたちが幼稚園、小学校をカナダで過ごしていたころは、8歳以下の子どもは、親または親に替わる保護者と一緒でなければ外出してはならない、と決まっていた。送り迎えは当然であった。8歳を越えるとはじめて、親の手を離れて遊びに行くことができる。12歳になると、はじめて大人の仲間入りができる、日常生活の中では、12歳からベビーシッターが出来る、それでお小遣いも貰えるようになる。余談だが、敗戦後、マッカーサーが言ったのか、だれが喋ったのか忘れたが、「日本人は12歳だ」と言われたのを思い出す。12歳という年齢が、何を意味するものかを、私はカナダで身をもって味わった。
どうして12歳を思い出したかというと、今回の誘拐・監禁は、たとえ12歳以上であっても起こり得る事件だ、と言いたかったのだ。単に児童を送り迎えするだけの話ではない。12歳が20歳であっても被害者は出るに違いない。犯人は歪んだ心の持ち主だ。こうした犯罪に対して防犯のノウハウをもっと高めて普及させて欲しい。「コレクター」という恐怖映画を思い出す。有名な映画だから検索してみてください。
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