文房 夢類
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ホーム訪問

秋雨前線が居座っていて、梅雨時のような天気。老人ホームに1時過ぎに着くようにと、時間を見計らって出かけた。バス、乗り換えバス、私鉄を降りてバス。ホールで名前や関係を、その都度記入し、手を洗い、うがいをしてから面会となる。
夏中、ご無沙汰をしていたので久しぶりだった。94か、5になったのか、本人もこちらも、どうでもよくなっている。湯飲みひとつを持て扱うにも難儀をするけれども、そんなことも、どうでもよくなっている。私にしても、五十歩百歩だ。
え〜、そんなことがあったんですか、という昔の話をしてくれて楽しいこと限りなし。だったが、肩を落として、こう言われた、
「いま自分はなにもしていない、できない」
人のために、世間のために、力になれないという意味だ。私は言った、ここに居てくれる、それだけで力です。ここに来ればいつでも会えると思う。来れば会えます。それが嬉しい、ここに来ない日も、私の力になります。それがあなたの力だ。
嬉しかったことは、また会おうと言ってくれたことだ。秋、行かれる時に、また行こう。
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