文房 夢類
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星の瞳

北風一方通行の季節が移り、南風の日が混じるようになった。重いジャケットからマフラーを外して気分も軽くなる。
が、相変わらず風邪をひいている人は多いから、バスには乗らずに歩いている。
ちいさなスミレのような花びらの、青色の花が群れて咲いていた。これはオオイヌノフグリ。
身近な草花には、なんで? どうして? こんな名前をつけたの?
とたじろぐ名前が、よくある。オオイヌノフグリは、その一つだ。並んで生えているスズメノカタビラも、その一つだ。ヘクソカズラというつる草もある。
漢字で書くと「大犬の陰囊」「雀の帷子」「屁糞蔓」となる。
日本の植物学の父と呼ばれる牧野富太郎博士は600種余りも新種を発見され、名付け親となった植物は、オオイヌノフグリを含めて2500種以上もあるという。
なんか、その時の気分もあったのかもしれないが、名付けられて代々呼ばれる身になったら、あんまりだなあ、と歩きながら思いめぐらせ、帰宅して別名を探してみた。
発見した別名が、星の瞳。ちょっと良すぎるかな。いやいや、春を知らせる先駆けの花にふさわしい。思い出の言葉が浮かんできます。
「天に星 地に花 人に愛」「君の瞳に乾杯」 
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