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猫と蝉

法師蝉の声を聞くころになると、夏の終わりを待つ心となる。ミンミンゼミもよく鳴いている。都内ではミンミンゼミは聞いたことがなかった、私が子供の頃は。当地は戦時中に、学童疎開の児童を受け入れていた土地だから、まだ虫の種類も多く、ノネズミ、野ウサギもいる。今年は蝉が多い年で、柿の成り年でもあろうか。青い柿の実が色づく日を待ちかねている。風台風さえ来なければ豊作だ。
3歳になった富士は、ほとんど毎日、蝉を捕まえて部屋に持ち込む。昨晩、寝る前の戸締りをしていたら、玄関のスニーカーの縁にアブラゼミが止まっていた。台風の残雨の暗がりだが、三和土にいるよりもと表へ出した。
今朝は家中の雑巾がけをして、ソファーの下にミンミンゼミの死骸を発見、ホッとした。掃除機を使うより、そっと袋に入れる方が気が休まるのです。
三日ほど前に、ベランダがミンミン騒がしいから、やったな、と二階へ上がったら、案の定、富士が咥えて部屋に飛び込んできた。
アタシ、すごいでしょ? 大威張り、大喜びで、私に見せてくれる富士。えらいなあ。富士、すごいなあ!何度も褒める。大満足。猫は身体で表情を見せる。尾と耳の動かしよう、しなやかな胴体の微妙なうねりは、細やかな感情も、爆発的な激情も見せてくれる。
この夏、何十匹とはいかないが、十何匹は部屋に持ち込んだ。室内猫だから、蝉を捕まえるのは、もっぱらベランダだ。
私が出かけると、玄関の三和土にお気に入りのおもちゃを置いて帰りを待っていてくれるが、蝉の季節になってからは蝉が加わった。家具の隙間やソファーの下にしまっているのを出してくる。嬉しいけれど、あまり長くしまっていると衛生面で困ることが多々あるので回収する。掃除を終えて人心地がついた。
ベランダに出さなければ蝉ハントはない。でもせっかく猫に生まれたのだ、できるだけ多くの経験をさせてやりたい。
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