年の瀬
29-12-15 22:38
年の瀬とは言え、省エネに没頭している私は、取り立てて何をするわけでもない。昼過ぎに漫然と歩いて、材木屋の前を通りかかった。材木屋も仕事納めで主人は、もうひとり年配の人と掃除をしていた。通りに面して隙間なく立てかけられた材木は丈高く、木の香りを惜しげもなく放っている。見上げて私は驚いた、その材木全体にわたり、私よりも大きい、私の何倍も太っている猿が描かれていたのだ。猿の両脇には、これも見事な門松風の松竹梅。猿の衣装の賑やかで派手なこと! 墨黒々と、2016年 新春 木の香りと木のやさしさを、と書いてある。
思いつきでやったのではない、玄人の手だ。我慢できず、主人を追いかけて言った、売り物に、あんなに描いちゃったら、困りません? 主人と年配の人が、いつのまにか並んでいて、ニコニコして言った、縁起物ですからね、あれから先に売れちゃいます。
思いつきでやったのではない、玄人の手だ。我慢できず、主人を追いかけて言った、売り物に、あんなに描いちゃったら、困りません? 主人と年配の人が、いつのまにか並んでいて、ニコニコして言った、縁起物ですからね、あれから先に売れちゃいます。