喋るカラス
16-06-16 21:17
先日、上野の博物館へ行った。最終日が迫ったので、切羽詰まってでかけた。
それは置いておいて、タイトルのカラスのことを伝えたい。博物館から噴水の前を通り抜けて西郷さんの銅像へ向かう道で、カラスが喋っているのを聞いた。カラスが九官鳥のように物まねをすることは聞いていたが、ほんとうに喋っているカラスに出会ったことはなかった、はじめてだった。
すっかり緑濃くなった樹々のなかから鳥の声がした。涼しげに、ル、ルルル……、と鳴いていたのはカラスだった。大声なので、なんかヘン、と見上げたのだ。カラスは一羽だけだ。やがてジェジェジェッ、と声色を変え、たちまち別の声を出す。レパートリーが豊富だ。ここまでは、車の音やサイレンなども真似すると聞いていたから驚かなかった。
しかしカラスは言ったのだ、こんばんは。綺麗な声だ。こんばんは、こんばんは!真っ昼間だから、ちょっとおかしいけれど大したものだった。カメラを向ける人を見下ろして声をかける。この通りは雑技の芸人さんが多い場所だから、真似して演じているのかもしれない。
博物館のお目当ては特別展「黄金のアフガニスタン」。
アフガニスタンは、不安定な国内情勢ゆえに文化財を破壊され、収蔵品を失うという苦難の道を辿ってきた。その歴史もつぶさに知ることのできる優れた展示だった。平山郁夫画伯の働きも改めて見ることができた。私は、ラピスラズリが目当てだったが、これは当てが外れ、トルコ石が金とともにふんだんに使われていた。やはり接してみないとわからない、文字を読むだけでは、自分の願望のほうへ想像を引き寄せてしまう、そのことに気づいた。この催しは表慶館で開かれ、普段は立ち入り禁止の上階へ入る事ができて、これは収穫だった。内側から見上げたドームの美しいこと。大正天皇ご成婚記念の建物。
それは置いておいて、タイトルのカラスのことを伝えたい。博物館から噴水の前を通り抜けて西郷さんの銅像へ向かう道で、カラスが喋っているのを聞いた。カラスが九官鳥のように物まねをすることは聞いていたが、ほんとうに喋っているカラスに出会ったことはなかった、はじめてだった。
すっかり緑濃くなった樹々のなかから鳥の声がした。涼しげに、ル、ルルル……、と鳴いていたのはカラスだった。大声なので、なんかヘン、と見上げたのだ。カラスは一羽だけだ。やがてジェジェジェッ、と声色を変え、たちまち別の声を出す。レパートリーが豊富だ。ここまでは、車の音やサイレンなども真似すると聞いていたから驚かなかった。
しかしカラスは言ったのだ、こんばんは。綺麗な声だ。こんばんは、こんばんは!真っ昼間だから、ちょっとおかしいけれど大したものだった。カメラを向ける人を見下ろして声をかける。この通りは雑技の芸人さんが多い場所だから、真似して演じているのかもしれない。
博物館のお目当ては特別展「黄金のアフガニスタン」。
アフガニスタンは、不安定な国内情勢ゆえに文化財を破壊され、収蔵品を失うという苦難の道を辿ってきた。その歴史もつぶさに知ることのできる優れた展示だった。平山郁夫画伯の働きも改めて見ることができた。私は、ラピスラズリが目当てだったが、これは当てが外れ、トルコ石が金とともにふんだんに使われていた。やはり接してみないとわからない、文字を読むだけでは、自分の願望のほうへ想像を引き寄せてしまう、そのことに気づいた。この催しは表慶館で開かれ、普段は立ち入り禁止の上階へ入る事ができて、これは収穫だった。内側から見上げたドームの美しいこと。大正天皇ご成婚記念の建物。