ネコの目
11-12-14 16:50
国立科学博物館で開かれている特別展「ヒカリ展」を見てきた。もちろん3人のノーベル賞受賞者の写真が飾られ、会場全体がヒカリで溢れ、輝いていた。立体映像で見るオーロラとオーロラ研究のもたらすものだけでも短時間では勿体なかった。多くの人が目を見張っていたのは、光るマユと光る花だった。これは、オワンクラゲやサンゴ、海洋プランクトンなどが持っている「蛍光タンパク質」の応用研究と「青色LED」のコラボレーションで、シルクの布が光り、トレニアという名の小さな花が、花自身が光っていた。なにしろカイコが光っているのだ! 光るカイコが光る糸を吐き出しているのだ! 私は、ビックリしてしまい、カイコの蛾が、真っ赤な光る目をして、こっちを向いているのを見ていられなかった。将来は、バラの花も光るようにできるのだという。蛍光鉱物、生物の展示も魅力だった。レーザー光線を当てた蛍石やルビーが輝く。目を見張る石の光だった。三原色の解説の所で、ネコの目には赤は見えない、青と緑がみえる、とあった。ネコは赤い色が見えないんだ、と知った。何色に見えるのだろう、灰色になっているのかしら。
帰宅して富士とバルコニーに出て遊んでやったとき、隣家の柿の木にメジロが3羽飛んできて、熟れた柿をつつきだした。富士はすばやく身を伏せ、ヒゲを前の方に寄せて注目。獲りたいのだ。うずうずしているのがわかる。柿は数個ずつかたまって実っており、メジロは、そのあいだを敏捷に飛び移っているのだが、早いし小さいし、柿の実の陰になってよく見えない。私は柿の色を消したつもりで眺めてみた。メジロは、葉のない細枝と柿の実の間で、ただメジロだけが、緑色で目立っているのだった。これじゃあ、見逃さないわ。ネコが巧みに鳥を捕るのは、運動能力だけではなかった。この地球には、私がみている世界のほかに何層もの異世界が重なって存在している。
帰宅して富士とバルコニーに出て遊んでやったとき、隣家の柿の木にメジロが3羽飛んできて、熟れた柿をつつきだした。富士はすばやく身を伏せ、ヒゲを前の方に寄せて注目。獲りたいのだ。うずうずしているのがわかる。柿は数個ずつかたまって実っており、メジロは、そのあいだを敏捷に飛び移っているのだが、早いし小さいし、柿の実の陰になってよく見えない。私は柿の色を消したつもりで眺めてみた。メジロは、葉のない細枝と柿の実の間で、ただメジロだけが、緑色で目立っているのだった。これじゃあ、見逃さないわ。ネコが巧みに鳥を捕るのは、運動能力だけではなかった。この地球には、私がみている世界のほかに何層もの異世界が重なって存在している。