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残酷な報道者

北島三郎さんが朝のテレビに出ていた。ろくに歌を知らない私でも知っている「さぶちゃん」という愛称で親しまれてきた有名な歌手。
たくさんの報道陣に囲まれて、突然亡くなってしまった51歳の息子さんについて記者会見を開いているのだった。
子に先立たれた親に、いったい何人出会ってきたことだろう。ついこのあいだの3.11の大津波では、どれだけの親たちが子を失ったことだろう。娘を失った友だちの言葉、この苦しみと悲しみは墓場に行くまで。持っていくしかない。
(亡くなられた息子さんに)なんと言葉をかけてあげたいですか? とマイクを向ける人の背を、私は視た。
三脚を立ててカメラを向ける男の一人を、私は注視した。この人は食べているのか、ガムを噛んでいるのか、くつろいで口を動かしながらファインダーに目を当てていた。
亡くなってしまった息子さんより若いような、この報道の人たちに対して、苦悶の表情を手で覆うこともせずに、絞り出すように答えながら、このつとめから放たれる時を待っている北島三郎さんに涙した。これは残酷な仕打ちだ。
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