文房 夢類
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十五夜

昨日は無性に歩きたくなり、歩いた。歩数計は歩き方によってはカウントされないことがあるが、大まかなところは掴んでくれるから持ち歩いている。約2万歩歩き、最後には車がヘッドライトを点ける頃合いとなった。見上げるとおぼろ月。満月だなあ、と振り仰ぎながら歩いた。今夜が十五夜さんだ。いつもともだちと電話し合い、お団子作った? と話し合う。ススキの穂。オミナエシ。大好きな秋、月の季節。庭の小菊に花芽が出てきた。
歩き疲れて早寝をしたら、深夜に目が覚めてしまった。なにか背のほうがふわふわしている。富士が私の背に寄り添って眠っているのだった。赤ちゃんの時に始めて作ってあげたオモチャが気に入っていて、これは紐のついている小さなぬいぐるみのフクロウなのだが、私の布団に持ち込んで寝ていた。
この富士は、一緒に生まれた4匹の子猫の中の最も小さく生まれた女の子、きょうだいと二度と巡り会うこともない、母猫とも二度と会えない。私だけが仲間で、家族のネコ。今夜の月を富士を抱いて眺めよう。
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